ビジネスチャット導入時の確認ポイントとは? 課題別の選び方も紹介

 2023.11.29  三和コムテック

リモートワークなどの新しい働き方が拡大する昨今、時代に合った業務環境を整えるためにビジネスチャットの導入を検討する企業が増えています。
本記事では、ビジネスチャットの導入時に確認したいポイントや、ツールの選び方について解説します。自社に適したチャットツールをお探しの方は、ぜひ参考にしてください。

ビジネスチャット導入時に確認したい4つのポイント

ビジネスチャットは、情報共有やコミュニケーション課題の解決に有用です。以下ではビジネスチャットの導入時のポイントや注意点などを詳しく解説します。

1. 使用目的を明確にする

ツールを選ぶ前に、ツールの使用目的と解決したい課題を明確にしましょう。「何となく」「IT化が進んでいるから」といった曖昧な理由では、効果的な活用につながりません。

ビジネスチャットの導入目的としては、以下のような例が挙げられます。

  • メール連絡を減らすなどの業務効率化
  • リアルタイムな情報共有による社内コミュニケーションの活性化
  • メールの誤送信防止や情報漏えい対策といったセキュリティ強化 など

ツールの導入目的は、担当者・経営層以外に現場の従業員にも理解されている必要があります。操作方法の教育と運用ルールの設定も併せて行い、現場で活かされる体制を整えましょう。

2. 使い勝手が良いツールを選定する

ツールの機能性のみならず、使いやすさも重視すべきポイントです。操作の感触はツールによって異なります。使いにくいツールを選ぶと現場で利用されず、導入コストが無駄になりかねません。

主なチェックポイントとしては、機能の種類・利用人数・操作性があります。
まず、ツールの機能は豊富なほうがよいとは限りません。使わない機能が多い場合、逆に画面や操作が煩雑になります。

次に、利用人数については、大人数で使うとツールの動作が遅くなるなどの場合があるため、無料試用で確かめたいところです。試用時はメンバーの管理・追加と削除がしやすいか、自社の業務に合っているか、セキュリティ性が十分かも確認しましょう。将来的にメンバーが増えた場合に対応可能かどうかなど、長期的な視点で考えることも大切です。

また、ITツールが苦手な人でも使いやすいか、末永く使える操作性かも確認しましょう。試用段階で社内アンケートなどを取って、現場の意見も聞きながら導入を進めることが重要です。

3. サービス事業者のサポート体制を確認する

導入したいツールのサポート体制の有無や内容を確認しましょう。ツールの使い方やトラブルに関して、事業者へ相談できたり、手順書やガイドが充実していたりすると便利です。

事業者から提供されるサポートの例としては、以下のようなものがあります。

  • 導入支援時や運用時、トラブル発生時の技術サポート
  • 運用時の参考になる活用事例の紹介
  • 法人向けの相談窓口
  • 電話、メール、チャットでの相談サポート
  • 管理者や利用者向けのユーザーガイド
  • オンサイト対応(出張サポート)

サポート体制が乏しいツールだと、自社での対処が求められます。ITに詳しい人材がおらず、トラブルに対処できる自信がない場合には、サポート体制が十分なツールを選ぶと安心です。

4. セキュリティリスクを理解する

ビジネスチャットを導入する際は、セキュリティ対策機能を必ず確認しましょう。セキュリティ性が低いツールの使用は、情報漏えいにつながるおそれがあります。

よくあるツールのセキュリティ対策機能には、以下のものが挙げられます。

  • 盗み見や改ざんの防止対策:メッセージの暗号化
  • 不正アクセスの防止:IPアドレス制限、2段階認証、デバイス管理、端末管理
  • メッセージやファイルの誤送信防止:権限管理
  • セキュリティ事故の原因解明や予防:監査ログ記録
  • 端末の紛失や盗難への対策:デバイス認証

情報漏えいが発生する原因として、第三者の不正アクセスや端末の盗難、従業員による事故や故意での漏えいなどがあります。それらのリスクは、上記の機能によって対策可能です。ツールによって搭載機能に違いがあるため、自社に必要なセキュリティ対策機能があるものを選びましょう。

また、導入形態によってセキュリティリスクが異なる点も重要です。
クラウド型のSaaSは手軽に導入しやすいため人気ですが、インターネット経由でサービスを利用する仕組み上、セキュリティ面には不安が残ります。もちろん事業者によるセキュリティ対策は十分に行われているものの、不手際で情報漏えいする可能性はゼロではありません。安全性を重視するなら、社内のクローズなネットワークで運用できるオンプレミス型のビジネスチャットツールがおすすめです。

ツールの操作以外では、従業員の誤った判断が情報漏えいの原因になることがあります。ツール利用時のインシデントやリスクを社内共有しておくこともセキュリティ対策のうちです。

【課題別】ビジネスチャットを導入する際の選び方

ビジネスチャットの選定方法を、よくある課題で分けて解説します。自社が抱える課題によって最適なツールの機能が異なるため、ツール選びにあたっては自社の課題を十分に把握しておかなければなりません。

情報共有を効率化したい場合

情報共有や意思決定の効率化にビジネスチャットを活用することで、ノウハウなどの重要な情報の集約と円滑な業務連絡をしやすくなるメリットがあります。メールよりも気軽にやり取りできるため、社内コミュニケーションを促進する効果も期待できます。

情報共有の課題解決には、充実したメッセージ機能やタスク管理機能があるもの、マルチデバイス対応のツールがおすすめです。

メッセージの未読・既読機能があると、送信したメッセージを相手が読んだかどうかツール上で確認できるため便利です。プロジェクト単位で、もしくは公開範囲を限定したチャットルームを作成できるツールもあり、特定のグループにのみ情報共有したい場合に役立ちます。

また、タスク管理機能があれば、タスク作成とメンバーへの依頼、進捗状況の確認・管理をツール上でひとまとめにできます。ツールがマルチデバイス対応していれば、場所を問わずに業務連絡ができて、情報共有の効率が高まります。

顧客対応の品質を向上させたい場合

顧客対応品質の向上に課題がある場合、自社のCRMに連携できるツールがおすすめです。連携によって過去の顧客対応履歴や営業活動状況を参考にしながらチャット応対できるようになります。担当者に確認を取る手間を省略でき、問い合わせやトラブル対応を迅速化できるのがメリットです。

ビジネスチャットでは複数のメンバーがリアルタイムに同じメッセージを閲覧できます。そのため、問い合わせが来たときに手が空いている人がすぐに対応しやすく、顧客対応の円滑化と顧客満足度の向上につなげられます。また、チャット形式のほうが、顧客の都合に合わせながら気軽にやり取りできて、細やかなアフターフォローも容易です。

ツールによってはチャットボットなどのAI連携に対応するものもあります。AI連携で問い合わせ対応の自動化や24時間対応のサポート体制を実現することで、顧客の待ち時間を減らせる点がメリットです。

利便性とセキュリティを両方とも重視したい場合

電話やメールにはないビジネスチャットの利便性と強固なセキュリティ性を両立させたい場合は、まずセキュリティ対策が充実しているツールを中心に選定しましょう。

判断のポイントとして、ISMSなどの情報セキュリティ認証を受けているか、ベンダーがどのようなセキュリティ基準でサービスを運用しているか、認証や暗号化などのセキュリティ機能が充実しているかが挙げられます。

また、導入形態に関しては、コストや導入の負担が軽いクラウド型も便利ですが、金融や病院、インフラ系、その他の高いセキュリティが求められる業種では、特に閉域網(オフライン環境)で使用できるオンプレミス型が注目されています。

オンプレミス型は環境構築に大きな手間とコストがかかるデメリットがあるものの、閉域網と自社のセキュリティ基準に沿った環境を構築しやすく、情報漏えいにつながるリスクを低減できる点がメリットです。

十分なセキュリティ性があるツールを絞り込めたら、その中から自社に必要な機能があるものを選びましょう。

ビジネスチャットの導入なら「Rocket.Chat」

ビジネスチャットの導入を検討しているなら「Rocket.Chat」がおすすめです。オンプレミス型・閉域網での運用に対応しており、より機密性の高い安全な環境でデータの保持やシステムの運用が可能になります。閉域網、つまりインターネット接続がない環境でも、ビデオ会議やチャット、スマートフォンへのプッシュ通知が可能です。マルチデバイスにも対応しており、閉域網からでも端末間のやり取り・機能の利用ができます。

セキュリティ対策として、会話は暗号化されます。これにより、プライバシーの保護と第三者の盗み見・改ざんなどのサイバー攻撃への対策が可能です。また、多要素認証、権限管理機能で不正アクセスや誤送信の対策もできます。

さらに、本ツールはオープンソースソフトウェア(OSS)のため、自社の要件に合わせて柔軟にカスタマイズできる点も大きな特徴です。30日間の無料トライアルができるため、ぜひ利用を検討してみてください。

まとめ

ビジネスチャットツールの導入により、情報共有の効率化や顧客対応の品質向上、業務効率化を実現できます。ツールを導入する際は、導入目的と自社の課題の明確化を意識し、ツールの使いやすさ、サポート体制の有無、セキュリティ対策機能の充実度をチェックしましょう。

ツールの導入形態で一般的なのはSaaSですが、閉鎖域で運用可能なオンプレミス型のほうが安全性は高くなります。セキュリティリスクへの対処の優先度が高い場合は、オンプレミス型の利用も検討してみてください。

以下の記事では、ビジネスチャット「Rocket.Chat」の業界別の活用シーンなどを詳しく紹介しています。併せてぜひ参考にしてください。

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