ビジネスチャットツールとは、セキュリティが高くビジネス向けの機能もあるコミュニケーションツールです。本記事では、ビジネスチャットツールの導入を比較検討する場合に確認しておきたい、無料プランがあるおすすめのビジネスチャットツールや、ツールを選ぶ際のポイントについて解説します。
【比較表付き】無料プランのあるおすすめビジネスチャットツール一覧
無料プランのあるビジネスチャットツールにはさまざまな種類があるため、選ぶ際にはポイントを押さえて比較することが大切です。比較表で取り上げている、セキュリティ性、オンプレミス環境への対応、カスタマイズ性、実績、サポートの充実度などが主に比較したいポイントです。
運用に大きく影響するポイントを比べることで、自社に最適なビジネスチャットツールが選べます。以下では、日本で高いシェアを占める上位4サービスと、高いセキュリティが期待できるビジネスチャットツールであるRocket.Chatを紹介します。
Slack (スラック)
Slackは、アクティブユーザー数1000万以上の世界中で使用されているビジネスチャットツールです。日本でも人気が高いツールで、大企業から中小企業まで、幅広い規模や業種の企業で使用されています。
無料プランではメッセージ、会話、ファイル共有、情報共有ができるチャンネルなど、基本的な機能が利用可能です。メッセージ検索は過去90日分まで可能、音声・ビデオ通話は1対1のみ、連携可能なツール数が最大10個といった機能面での制限があります。有料プランではメッセージや通話、連携ツールなどの制限が解放され、各種機能が追加されます。
データの暗号化、幅広いコンプライアンス証明・認証を受けている高いセキュリティもSlackの特徴のひとつです。サービスの提供はSaaS版のみの4プランで、企業独自のカスタマイズは行えません。
Slack
Chatwork (チャットワーク)
チャットワークは、導入社数が30万社以上の実績あるビジネスチャットツールです。日本企業のChatwork株式会社が提供しているツールで、国内の利用者数が多いという特徴があります。チャットではグループごとにタスクを作成でき、大容量のファイル送信が可能です。X・Gmailといった外部ツールとの連携など、ビジネス利用に適したさまざまな機能が使えます。
無料プランでは、制限の範囲内で基本機能を利用可能です。制限には、ユーザー数100人まで、メッセージ検索のオプション使用不可、ストレージ容量5GBまで、音声・ビデオ通話1対1のみなどがあります。
ISO27001などの国際的なセキュリティ規格の認証を取得しており、高いセキュリティ性も期待できます。提供しているサービスは、無料プランを含めSaaS版の3プランであり、自社にあわせた詳細なカスタマイズは難しいツールです。
Chatwork
LINE WORKS (ラインワークス)
LINE WORKSは、LINEとの連携が可能なワークスモバイルジャパン株式会社提供のビジネスチャットツールです。LINEに近い使用感で、使いやすいUIが特徴です。主に、トーク、メール、アドレス帳、掲示板やカレンダー、タスク、ファイル管理などの機能があります。
基本機能を制限付きで利用できる無料プランもあり、ユーザー数30人まで、ストレージ容量5GBまで、音声・ビデオ通話4人までなどの制限内で利用が可能です。ISO/IEC27001・ 27701などの国際認証を取得しているため、高いセキュリティ環境でデータや個人情報が保護されます。提供している製品プランはSaaS版のみであり、無料プランを含めて3プランから選択可能です。カスタマイズ性はそれほど高くないため、自社が求める機能に対応できない場合があります。
LINE WORKS
Microsoft Teams (マイクロソフトチームズ)
Microsoft Teamsは、マイクロソフト社提供のビジネスチャットツールです。同社のMicrosoft Office365と連携して利用できる、各Officeツールとの親和性が高いなどの特徴があります。多言語に対応しているため、グローバル企業など海外支店とのミーティングが多い企業にも適しています。
無料プランは、オンライン会議の参加者100人まで、グループ会議最長60分まで、ユーザー1人あたりのクラウドストレージ5GBまでなどの制限内で利用可能です。Microsoft Teamsでは、データ転送・保管時の暗号化機能、電子情報開示など、さまざまな対策による高度なセキュリティが期待できます。サービスはすべてSaaS版であり、プランは全部で4種類あります。機能のカスタマイズ性はそれほど高くはありません。
Microsoft Teams
Rocket.Chat (ロケットチャット)
Rocket.Chatは、SaaS版も選択可能な、オンプレミス環境に構築できるOSS(オープンソースソフトウェア)のビジネスチャットツールです。アメリカ合衆国の安全保障省をはじめ、世界中で数多くの企業に導入されています。ライブチャット、音声・ビデオ通話、タイムライン、画面共有、ファイル共有など、ビジネスで活用できる多彩なコミュニケーション機能が利用可能です。
オンプレミスの無料プランでは、プッシュ通知10,000件/月まで、同時接続が200ユーザー以上でユーザーのステータス表示機能が停止するなど一部の制限があります。24時間体制で監視されたクローズドな環境で稼働するツールでデータがバックアップされているため、急なトラブルが発生しても重要なデータも強固に守られます。
カスタマイズ性の高いOSSであり、セキュリティベンダーの三和コムテックが導入をサポートしているなどの特徴から、自社で使いたい機能を自由に追加して最適な状態で導入が可能です。
参照
ビジネスチャット導入時に比較したい5つのポイント
ビジネスチャット導入時に比較したいポイントは下記の5つです。
1. セキュリティ性
ビジネスチャットツールはビジネスで使うため、セキュリティの高さが重要です。ツール内では社内の重要情報が共有されています。マルウェア感染やアカウントの乗っ取りなどの被害に遭い、情報が外部に流出してしまうと重大な問題が生じます。行政や金融機関など、機密情報を扱う組織ではとくに、情報漏えいを防ぐために強固なセキュリティが欠かせません。
セキュリティの高さはIPアドレス制限、多要素認証、端末認証、通信の暗号化などの機能や、権限設定機能、ログ履歴の保存機能などを確認します。データを保管しているデータセンターや、ISO 27001の認定を受けているかなどもチェックします。
2. オンプレミス版 (閉域網)の有無
ビジネスチャットツールは、クラウド型(SaaS)サービスが多く利用されています。クラウド型はインターネット上でサービスにアクセスして利用する形式で、導入時のコストなどがかからないことから導入しやすいタイプです。
一方オンプレミス型は、自社サーバーを構築してオンプレミス(閉域網)環境でツールを利用します。オンプレミス型は外部のネットワークに接する機会が少ないため、強固なセキュリティ環境での利用が可能です。セキュリティの高さを求める場合には、オンプレミス版を利用できるかが重要な判断要因になります。
3. カスタマイズ性
現在では、クラウド型のビジネスチャットツールが利用されているケースが多く見られます。クラウド型は、簡単に導入できイニシャルコストが抑えられるなどのメリットがある一方、自社の業務に特化した機能を選択するカスタマイズ性が劣っています。
チャットをはじめとするコミュニケーション機能のほかに、業務で利用する他ツールとの連携などができると業務の効率化につながります。オンプレミス型のツールは、ソースが公開されているOSSのケースが多く、ツールの編集や多様なカスタマイズが可能です。ツールを比較する際には、カスタマイズ性が高く他ツールとの連携を行えるかどうかを確認することが大切です。
4. シェア率・導入実績
シェア率・導入実績も重要な要素です。導入実績が多い場合、バグなどの発生をサービス側が早期に把握して改善を行うため、安定した稼働が期待できます。多くのユーザーに選ばれているのは、必要な機能を搭載していて操作性が高いなどの理由があるからです。シェア率が高いと、社内に利用経験者が多く、導入しやすくなるケースもあります。毎日の業務で使うツールでは使いやすさを重視する必要があるため、シェア率・導入実績はチェックしたいポイントのひとつです。
5. サポート体制
サービス事業者や導入時のベンダーが十分なサポートを行っているかどうかも確認が必要です。サービスの利用に関する疑問への対応、カスタマイズ時のサポート、トラブル発生時の対応まで、ノウハウがありサポート体制がしっかりしているベンダーを選びましょう。サポート体制が整っているベンダーを選定した場合、導入後にも安心して運用が行えます。
ビジネスチャットなら「Rocket.Chat」がおすすめ
セキュリティ性・カスタマイズ性の高いビジネスチャットを探している場合には、Rocket.Chatがおすすめです。Rocket.Chatには、チャット機能のほかにも、リアルタイム翻訳・ビデオ会議・タスク管理・ファイル管理など、ビジネス効率向上につながる豊富な機能が搭載されています。機能の追加だけでなく不要な機能の削除もできるため、使いやすいツールへと自由にカスタマイズが可能です。
ウェブ・デスクトップ・モバイル環境など、どこからでもアクセスできるツールのため、外出先やテレワークにも対応しています。30日間の無料トライアルが利用できるため、料金をかけずに実務で利用して使い勝手を確認後、導入するかどうかの検討が可能です。
まとめ
ビジネスチャットツールを選ぶ際には、ポイントを押さえて選ぶことが重要です。ビジネスチャットツールはビジネス上の重要な情報を取り扱うツールであるため、セキュリティの高さ、オンプレミス環境への対応の有無などのチェックが重要です。自社の業務プロセスに適した機能をカスタマイズできるかどうかも運用に大きく影響します。たしかな実績があり、サポート体制も整っているツールを選ぶことで、導入後の安定した運用が期待できます。
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