第1回
Rocket.ChatとActive Directoryを連携するメリットとは?

 2025.07.15  三和コムテック

社内チャットを導入する際、アカウント管理やチャンネル運用で次のような悩みに直面することはありませんか?

  • アカウントの追加・削除を毎回手動で行っている
  • 異動や退職の反映漏れが気になる
  • 部署ごとのチャンネル設定が面倒

こうした運用課題を解決する方法が、Rocket.ChatとActive Directory(AD)との連携です。
同じ課題をお持ちのお客様に向けて、今回から4回に分けて「アカウントをどう管理するか」問題についてブログの連載を開始いたします。ご期待ください。
今回は、Rocket.ChatとADを連携させることで得られる実践的なメリットを、カテゴリ別にご紹介します。

 Rocket.ChatとActive Directoryを連携する
メリット

1. アカウント管理を「安全に」かつ「シンプルに」

Rocket.Chatを運用する際にまず直面するのが、「ユーザーアカウントをどう管理するか?」という課題です。Rocket.Chatには、以下のように複数のユーザー管理方法が用意されています。

Rocket.Chatの主なユーザー管理方法

方法 説明
手動登録(GUI操作) 管理者が管理画面から1件ずつユーザーを追加
CSVインポート ユーザー一覧をCSVファイルで一括登録
登録用リンクを共有(自己登録) 招待リンク経由でユーザーが自分でアカウントを作成
LDAP連携(AD連携) Active Directoryからユーザー情報を取り込み、自動作成
SAML / OAuth / OpenID Connect 外部IdPと連携してSSOログインとユーザー作成を実現

この中でも、企業・組織での運用において特に有効なのが、LDAP連携によるADとの統合です。
ADと連携すれば、次のような一元管理が可能です。

  1. ADアカウントでRocket.Chatにログイン可能(LDAP)
    Rocket.ChatはLDAP経由でADアカウントと連携できます。
    これにより、ユーザーは社内アカウントでそのままRocket.Chatにログインでき、別途パスワードを発行する必要がなくなります。

  2. Rocket.Chatのパスワード管理が不要に
    すべてのパスワード制御がAD側で行われるため、Rocket.Chatではパスワードを一切管理しなくてOK。
    ポリシー、複雑性、有効期限などもADのルールが適用されます。


  3. アカウントの無効化・削除が自動で反映
    ADでユーザーを無効化・削除すれば、Rocket.Chatでも自動的にログイン不可になります。
    退職者や一時停止者の制御漏れが発生しません。

2. ユーザー管理は「自動化」してミスゼロへ

  1. 初回ログイン時にアカウント自動作成
    AD連携を有効にすると、ユーザーがRocket.Chatに初めてログインした瞬間にアカウントが自動生成されます。登録作業は不要です。

  2. 氏名・メール・部署などをADから自動取得
    ユーザー情報もLDAP属性から取り込まれるため、入力ミスやtypoがなくなります。正確な情報が社内ディレクトリとしてRocket.Chatに表示されます。

  3.  CSVインポートや手動登録から解放される
    これまでの「CSV作って、取り込んで、確認して…」という流れが不要になります。アカウント周りの運用負荷がほぼゼロに。

3. 組織情報を使ってチャンネル参加も自動化

  1.  ADグループとRocket.Chatチャンネルを連携
    ADで設定された「部署」や「役割」のグループに応じて、Rocket.Chatのチャンネルへの自動参加設定が可能です。

    営業部グループ → #salesチャンネルに自動参加
    管理職グループ → #managementにのみアクセス許可

  2.  ロールや権限も自動付与できる
    ADのグループ情報が更新されれば、Rocket.Chat上の参加チャンネルや権限も自動で更新されます。人事異動にもリアルタイムに追従できます。

  3. 異動時も自動で設定切り替え
    ADのグループ情報が更新されれば、Rocket.Chat上の参加チャンネルや権限も自動で更新されます。人事異動にもリアルタイムに追従できます。

4. 二重管理からの解放

  1.  ADとRocket.Chatを別々に管理しなくていい
    Rocket.Chatだけに独自のアカウント情報を持たせる必要はありません。すべてADで完結します。
    これにより、設定ミスや更新漏れが激減します。

  2.  属人化やミスのリスクを排除
    人手に頼らない仕組みによって、退職・異動・新入社員対応も「忘れず・間違えず・すぐに」運用できます。管理工数と心理的負荷を両方減らせるのは、情報システム部門にとって大きなメリットです。

まとめ: AD連携でRocket.Chat運用を“標準化・自動化”へ

分野 連携による効果
ログイン認証 社内アカウントでシームレスにログイン(SSO/LDAP)
パスワード管理 Rocket.Chat側の管理不要。AD側で一元制御
アカウント作成 初回ログインで自動生成。手動登録は不要に
情報同期 氏名・メール・部署などをADから自動取得
チャンネル管理 グループに応じたチャンネル・ロールを自動付与
運用負荷 二重管理から解放。ミス・属人化リスクの排除

導入・設定方法についても順次解説していきますので、次回もぜひご覧ください。

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