現代のビジネス環境において、ビジネスチャットの導入は生産性や組織力の強化に大きな影響を与える施策です。ところで、ビジネスチャットの中には、セキュリティやカスタマイズ性の高いオンプレミス型の製品も存在することはご存知でしょうか。本記事では、クラウド型の製品と比較しながら、オンプレミス型ビジネスチャットのメリット・デメリットや製品選びのポイントを解説します。
ビジネスチャットのオンプレミス型とクラウド型の特長
ビジネスチャットの導入にあたって、最初に決めるべき方針が「オンプレミス型」と「クラウド型」のどちらを採用するかです。オンプレミス型は、自社のサーバー上でシステムを構築・管理する方式です。これに対し、クラウド型はベンダー企業のサーバー内に構築されたシステムを、インターネット回線を通じて利用します。
オンプレミス型の魅力は、情報セキュリティの強化や高度なカスタマイズが可能であることです。他方で、クラウド型の利点は導入の容易さや初期費用の低さにあります。ビジネスチャットを導入する際は、これらの利点を踏まえてオンプレミス型/クラウド型を選択することが求められます。
オンプレミス型のメリット
主な利点のひとつは、セキュリティとカスタマイズを自社の基準で行えることです。これらの利点は、金融業など機密性が高い情報を日常的に扱う企業や、ビジネスチャットを自社のビジネスプロセスに最適化したい企業に大きなメリットをもたらします。
セキュリティ管理が容易にできる
オンプレミス型のビジネスチャットは、社内のネットワークで運用されるため、外部からのアクセスを効果的に制限可能です。この閉じた環境は、ウイルス感染や不正アクセスのリスクを大幅に軽減します。
また、システムの管理・監視が社内で完結するため、自社基準のセキュリティポリシーの徹底と迅速な対応が可能となります。ビジネスチャットを使ってやりとりする業務連絡の中には、機密情報や個人情報が含まれることもあるので、セキュリティの高さは非常に大きな要素です。
自社に合ったカスタマイズができる
オンプレミス型のシステムでは、サーバーやソフトウェアの設定を自社で行います。そのため、組織特有のニーズに最適化するように、細かいカスタマイズが可能な点も大きなメリットです。
たとえば、特定の業務プロセスに必要な機能を追加したり、社内の専用システムと連携させたりすることも可能です。逆に、自社が必要とする最低限の機能だけを実装することもできます。
オンプレミス型のデメリット
オンプレミス型はクラウド型と比べて、コスト面でも技術面でも導入のハードルが高いという課題があります。そのため、一部の企業では、クラウド型のビジネスチャットのほうが導入に適している場合もあります。
クラウド型に比べるとコストがかかる
オンプレミス型は、サーバーをはじめ、システム構築に必要なインフラ環境を自社で用意しなければいけません。これにより、オンプレミス型には高額な初期費用と相応の時間が求められます。
さらに、システムを維持・管理するためには、定期的なメンテナンスやアップデートも必要なので、追加のコストに関しても計算が必要です。他方、クラウド型の場合は、インフラの構築や基本的なメンテナンスなどはベンダー企業に一任できるので、コスト面の負担は少なくなります。
ITスキルが必要
オンプレミス型は自社で独自にシステムの構築や運用をする必要があるので、専門的なITスキルが不可欠です。サーバーの設置、システムの設定、日々のメンテナンスや更新、トラブルシューティングなど、高度な知識や労力が求められる場面は多々あります。
このような専門的なスキルやノウハウが社内にない場合は、外部委託などで対応することも可能です。とはいえ、これはさらなるコストの発生を意味するので注意が必要です。
ビジネスチャットを選ぶポイント
オンプレミス型・クラウド型問わず、ビジネスチャットを導入する際には自社の要件と合致する製品を選ぶことが求められます。以下では、ビジネスチャットツールを選ぶ際に特にチェックすべきポイントを5つ紹介します。
費用が見合っているか
ビジネスチャットを選択する際には、初期コストや運用コスト、ライセンス料、サポート費用など、必要費用を総合的に考慮することが不可欠です。これらの費用は、選択するツールによって大きく異なるため、複数の候補製品から見積もりを得て比較検討することが重要です。最終的には、総費用が予算の範囲内に収まっているかどうかを確認し、コストパフォーマンスが最も高い製品を選ぶことが求められます。
機能が自社に合っているか
ビジネスチャットの機能が自社の課題やニーズに合致しているか確認することも欠かせません。たとえば、自社の利用シーンを考慮し、PCだけでなくスマートフォンやタブレットでの利用が可能かどうかも検討すべき点です。
機能が不足していると導入目的が果たせず、不便に感じたり使わなくなったりする恐れがあります。他方で、機能が充実しているほど必要費用も高くなるので注意が必要です。その点、自社でカスタマイズ可能なオンプレミス型であれば、必要な機能を的確に満たしたうえで、さらに必要な機能があれば後から追加することも可能です。
セキュリティ対策が十分か
ビジネスチャットの選定において、情報漏えいなどを防ぐセキュリティ対策は極めて重要な要素のひとつです。たとえば暗号化通信やアクセス制限機能、二要素認証などのセキュリティ機能が充実しているか確認しましょう。また、国際的なセキュリティ基準であるISO27001(ISMS)の認証を取得しているかどうかも、ツールの信頼性を判断するうえで重要な指標になります。この基準を満たしているシステムは、データ保護や情報セキュリティ管理において高いレベルの安全性を確保していることが期待できます。
サポート体制が整っているか
ビジネスチャットを選ぶ際には、サポート体制の充実度も考慮する必要があります。万が一のトラブルが発生した場合や操作について疑問が生じた際に、迅速かつ適切なサポートを受けられるかどうかは、システムの利用における安心感に直結します。導入時・運用時のサポートのほか、ユーザー向け・管理者向け双方のマニュアルが充実しているかどうかなどもチェックしましょう。
操作性が高いか
操作性の高さも重要なチェックポイントです。いくら機能が充実していても、使いにくければ、自然とツールの使用率も下がってしまう恐れがあります。ビジネスチャットは部署や役職、年代を問わず多くの従業員が使うことが想定されるため、誰でも簡単に使いこなせることが重要です。
オンプレミス型のチャット・ビデオ会議ツール「Rocket.Chat」
オンプレミス型のビジネスチャットをお探しなら、「Rocket.Chat」の導入がおすすめです。「Rocket.Chat」は柔軟なカスタマイズが可能で、基本のチャット機能をはじめ、ビデオ会議、タスク管理、グローバル検索、ファイル管理、カレンダー連携など多種多様な機能をすぐに利用可能な形で提供しています。これにより、ユーザーは導入してすぐにでも組織のコミュニケーションを改善可能です。無料で利用できるプランもあるので、基本的な使用感を知りたい方は、まずはそちらで試してみることをおすすめします。
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まとめ
オンプレミス型のビジネスチャットは、費用やスキルの面で導入のハードルが高い一方、セキュリティやカスタマイズ性の高さなどの面でクラウド型より優れています。具体的な製品選びをする際は、費用面や機能面など、自社の要件と照らし合わせて比較検討することが大切です。オンプレミス型のビジネスチャットツールの導入をしたい場合は、まずは「Rocket.Chat」の無料版を試してみることをおすすめします。
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