ビジネスチャットの中にはクラウドサービスだけでなく、閉域網(オンプレミス)で利用可能な製品もあります。閉域網のビジネスチャットは、特にセキュリティの高さを重視する企業にとっておすすめの選択肢です。本記事では、クラウド型の製品と比較しながら、閉域網のビジネスチャットのメリット・デメリットや、製品選定時のポイントを解説します。おすすめのビジネスチャットツールの紹介もするので、ぜひご参考にしてください。
閉域網のビジネスチャットとは?
ビジネスチャットとは、組織内の連携やコミュニケーションをスムーズに行うためのツールです。時系列順にメッセージのやりとりや一覧表示ができるチャット機能のほかに、ビデオ会議やタスク管理機能などが搭載されている製品もあり、組織内の意思疎通やチームワークをさまざまな面で高められます。
ビジネスチャットには大別すると、クラウド型と、閉域網型(オンプレミス型)の2種類があります。インターネット上で利用するクラウド型とは異なり、閉域網のビジネスチャットは社内のサーバー内に構築され、基本的に社内ネットワークの内部で利用されるのが特徴です。
関連記事:ビジネスチャットとは? メリットや成功事例、安全性について解説
閉域網のビジネスチャットを導入するメリット
閉域網のビジネスチャットは、特にセキュリティとカスタマイズ性の高さで導入企業へ多くのメリットをもたらします。
情報漏えいのリスクが低減する
閉域網のビジネスチャットは、自社のサーバーにインストールして運用するので、クラウド型と比べて外部からの侵入や攻撃を防ぎやすく、情報漏えいなどのセキュリティリスクを大きく低減可能です。また、後述のように柔軟な運用が可能なので、自社基準のセキュリティポリシーを適用し、トラブル発生時にも迅速に対応できます。これらの利点は特に、業務連絡において機密性の高い情報を頻繁に扱う企業にとって大きな意義をもちます。
自社に合わせてカスタマイズできる
閉域網のビジネスチャットは自社サーバーに直接インストールして構築するので、クラウド型に比べると自社独自の要件に合わせて機能の調整や追加がしやすいのもメリットです。これによって、一般的なチャットツールでは提供されない独自の機能や、自社のワークフローに最適化されたインターフェースの開発が可能です。こうしたカスタマイズ性の高さは、ビジネスチャットの使用率や導入効果を底上げするうえで非常に役立ちます。
閉域網のビジネスチャットを導入するデメリット
ビジネスチャットは上記のようにクラウド型より優れた面もありますが、多くの時間や費用を必要とするため、導入のハードルが高くなりやすいのがデメリットです。
導入から運用開始までに時間がかかる
閉域網のビジネスチャットは自社サーバー内にシステムを構築する必要があるため、導入してから運用開始までに一定の時間を要します。また、運用を開始してからも、基本的には自社でメンテナンスや更新作業などの運用が必要なので手間ひまが必要です。「すぐに利用開始したい」「できるだけ自社の手間を抑えたい」という場合は、クラウド型の導入も検討しましょう。
導入コストが高くなる
もうひとつのデメリットは、導入コストの高さです。閉域網のビジネスチャットを利用するには、サーバーやソフトウェアの導入・構築費用など初期投資が必要になります。もちろん、追加機能の開発などが必要ならば、その分の出費も欠かせません。そのため、特に初期費用を抑えたい場合はクラウド型のビジネスチャットのほうが適している可能性もあります。費用面だけでなく、開発・運用に必要な人的リソースを確保できるかも注意すべき点です。
閉域網のビジネスチャットの選び方
どのようなツールを導入する場合でも重要なのが、自社の要件を明確化し、それに沿って製品選びを行うことです。以下では、自社に適したビジネスチャットツールを選ぶための重要ポイントを解説します。
自社に合う機能があるのか確認する
閉域網のビジネスチャットは、クラウド型に比べるとカスタマイズの自由度が高いものの、無制限というわけではありません。ツールごとに提供される機能やカスタマイズ可能な範囲は異なるので、自社が必要とする機能があるか確認することが重要です。
この過程で、まず行うべきなのは、自社が必要とする機能を事前に洗い出すことです。必要な機能が欠けていれば高い導入効果は期待できません。逆に機能が多すぎても、使いこなせなくて費用が無駄になったり、かえって使い勝手が悪くなったりします。
そのため、どのような機能が必要か、どの程度のセキュリティレベルが求められるかなど、できるだけ要件を具体的にリストアップし、それに沿って導入候補のツールをピックアップしましょう。無料のプランや試用版などがあれば、それを利用して実際の使い勝手を確認してみるのもおすすめです。
予算内に収まるのかを確認する
コスト面の確認も重要です。先述の通り、閉域網のビジネスチャットは高額になりやすいので、自社の予算内で収まるかどうか慎重に検討する必要があります。初期費用はもちろん、運用開始後に継続してかかるランニングコストも忘れず計算しましょう。
基本的には複数の導入候補をピックアップして相見積もりをするのがおすすめです。ただし、実際の運用にあたっては、自社が求める機能要件を満たしていることも重要なので、安さだけで選ばないように注意しましょう。
導入後のサポートについて確認する
閉域網のビジネスチャットは、自社で運用管理するのが基本です。しかし、そのために必要な人的リソースが不足している場合、あるいはシステムに問題や不明点が生じた際には、ベンダー企業からのサポートがないと困った事態に陥ります。
そのため、ツールの導入時には、サポート内容の範囲や対応時間などを確認し、万が一の際に適切なサポートを受けられるようにしましょう。必要なサポートを迅速に受けられるかどうかが、システムの安定的運用に直結します。
閉域網(オンプレミス型)のチャット・ビデオ会議ツール「Rocket.Chat」
「Rocket.Chat」は、閉域網(オンプレミス型)の多機能なチャット・ビデオ会議ツールです。閉域網ならではのセキュリティの高さに加え、ビデオ会議、タスク管理、ファイル管理、グローバル検索、カレンダー連携など、多岐にわたる機能を提供します。これによって導入企業は、組織内のコミュニケーションやチームワークを活性化可能です。
「Rocket.Chat」のCommunityプランは無料で利用できます。このプランは一部の機能に制限がありますが、基本的な使い勝手を知るには十分に役立ちます。「Rocket.Chat」にご関心のある方は、手始めに無料のCommunityプランから試してみてはいかがでしょうか。
まとめ
閉域網を利用したビジネスチャットには、セキュリティの高さやカスタマイズの自由度といった大きな魅力がありますが、導入コストや運用開始までの時間がかかるというデメリットもあります。重要なのは、クラウドか閉域網かも含めて、自社のニーズに合致したツールを選ぶことです。本記事を参考に、自社に最適なビジネスチャットを導入し、従業員間で効率的にコミュニケーションを取れる環境を構築しましょう。
- トピックス:
- Rocket.Chat