ビジネスチャットのセキュリティ事故を踏まえた
教訓と対策②
日本国内の事例

 2025.09.29  三和コムテック

ビジネスチャットツールは、企業のコミュニケーションを効率化する一方で、セキュリティリスクを伴います。日本国内でもいくつかの企業がビジネスチャットを利用する中で重大なセキュリティ事故を経験しています。
本記事では次のポイントをわかりやすく解説します。

  • 日本国内で発生したビジネスチャットにおけるセキュリティ事故事例
  • 企業が取るべき具体的なセキュリティ対策

この記事を読むことで、ビジネスチャットを安全に活用するために注意すべきポイントや、事故を未然に防ぐための具体的な対策が明確になります。

日本国内のビジネスチャットにおける
セキュリティ事故の事例

illustration of set of hazardous symbol on grey background日本国内でもビジネスチャットの普及が進む一方で、セキュリティ事故も少しずつ顕在化しています。本記事では、特に注目すべき事例をピックアップし、その内容や背景をわかりやすく紹介します。

1.LINE株式会社のデータ侵害

2023年10月、LINE株式会社は、サブコントラクターのコンピュータを通じて不正アクセスを受け、440,000人以上のユーザーのデータが漏洩しました。この事件では、サブコントラクターがLINEと共有していた認証システムがハッカーに利用され、ユーザーのデモグラフィック情報やサービス利用履歴が流出しました。LINEは公共サービスとも連携しているため、この漏洩は広範な影響を及ぼし、データ管理の重要性が再認識されるきっかけとなりました。

2.株式会社ヌーラボのTypetalk不正アクセス

2023年8月、株式会社ヌーラボが提供するビジネスチャットツール「Typetalk」が外部からの不正アクセスを受け、ユーザー情報が漏洩しました。この事件は、攻撃者がシステムに侵入し、ユーザーの個人情報を盗み出したもので、企業のセキュリティ対策の不備が浮き彫りになりました。ヌーラボは、ユーザーに対して迅速に情報を提供し、再発防止策を講じる必要がありました。

3. 摂南大学Microsoft Teams のチャット誤送信により
個人情報流出

2025年6月、大阪府の摂南大学はMicrosoft Teams のチャット誤送信により、卒業生および修了生、合計9,213名分の個人情報が、誤って在学生や卒業生122名に共有され、約2年間閲覧可能な状態となっていたことを発表しました。現在は削除済みで、二次被害は確認されていません。大学は教職員向けセキュリティ研修や送信前の確認体制を強化し、再発防止策を講じています。

4.都立小金井工科高校のTeams設定ミスによる個人情報漏えい

2024年5月、東京都立小金井工科高校では、教員が生徒指導用データを Microsoft Teams に公開設定のままアップロードしたことで、生徒67名分の個人情報(学年・クラス・氏名・相談内容など)が他校から閲覧可能な状態になっていました。問題は生徒からの指摘で発覚し、即日データは削除。外部流出や二次被害は確認されていません。学校と教育委員会は再発防止策として、Teamsの共有設定やアカウント利用方法の研修を実施し、情報取り扱い時のチェック体制を強化しています。

教訓と今後の対策

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これらの事例から得られる教訓は、企業がビジネスチャットツールを利用する際に考慮すべき重要なポイントです。

セキュリティ対策の強化

多要素認証やアクセス権の厳格な管理を導入することで、不正アクセスのリスクを低減できます。

従業員教育の重要性

従業員に対する定期的なセキュリティトレーニングを実施し、マルウェアやフィッシング攻撃のリスクについての認識を高めることが必要です。

監視体制の整備

SIEMツールやユーザー行動分析(UEBA)を導入し、異常な行動をリアルタイムで監視することで、迅速な対応が可能になります。

結論

日本国内で発生したビジネスチャットにおけるセキュリティ事故は、企業が直面するリスクの深刻さを改めて浮き彫りにしています。企業は、こうした事例から学び、セキュリティ対策の強化や従業員教育の徹底を行うことで、将来的なリスクを大きく低減することが可能です。セキュリティは単なる技術課題ではなく、企業文化として根付かせるべき重要な取り組みといえるでしょう。

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 執筆者

名前:島村 奉明 Rocket.Chatプロダクトマネージャー
年齢:36
経歴:PCハードメーカーの企画営業としてエンタープライズ企業を担当、2023年三和コムテックに入社。   
   新規ソリューションの営業・企画面にて参画。中小企業から年商1,000億円以上の企業まで幅広く 
   PCIDSS
保持に関するセキュリティソリューションの導入を支援。脆弱性診断系を専門分野とす
   る。
近年は、金融機関、カード会社、流通事業者へのセキュリティへコミュニケーションツールと 
   してオンプレミ
スチャットの導入を推進。Security情報の啓蒙活動に従事、お客様イベントにて講
   演多数。
   2児の父、趣味は週末に家族でワイワイお出かけすることでリフレッシュしています!

 

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