ビジネスチャットのセキュリティ事故を踏まえた教訓と対策①
ウォルト・ディズニー社の事例

 2025.08.22  三和コムテック

近年、ビジネスチャットツールの普及に伴い、企業の内部コミュニケーションが効率化される一方で、セキュリティリスクも増大しています。特に、ウォルト・ディズニー社が経験したセキュリティ事故は、企業が直面する脅威の深刻さを浮き彫りにしています。このブログでは、ディズニー社のセキュリティ事故を例に挙げ、ビジネスチャットのセキュリティ対策の重要性について考察します。

ディズニー社のセキュリティ事故の概要

2024年7月、ディズニー社はハッカーグループ「NullBulge」による大規模なデータ侵害を受けました。この攻撃では、ディズニーの内部Slackチャンネルから1テラバイト以上のデータが不正にアクセスされ、44百万件以上の内部メッセージや機密情報が漏洩しました。攻撃者は、従業員が個人のゲーム用コンピュータにダウンロードしたマルウェアを利用して、Slackアカウントにアクセスしました。このマルウェアは、従業員のログイン情報を盗み出し、Slackを通じて企業の内部データにアクセスすることを可能にしました。

事故の原因と影響

ディズニー社のセキュリティ事故は、いくつかの要因によって引き起こされました。

不十分なセキュリティ対策

ディズニー社は、マルウェアによる攻撃を防ぐための多要素認証(MFA)を導入していませんでした。このため、攻撃者は簡単に従業員のアカウントにアクセスできました。

アクセス権の管理不足

従業員は、10,000以上のSlackチャンネルにアクセスできる権限を持っており、これは「最小権限の原則」に反しています。このような広範なアクセス権は、攻撃者が多くの情報にアクセスする手助けとなりました。

監視体制の欠如

セキュリティ情報およびイベント管理(SIEM)ツールが不十分であったため、異常な活動を早期に検知することができませんでした。これにより、攻撃が長期間にわたって続き、大量のデータが盗まれる結果となりました。

教訓と今後の対策

ディズニー社のセキュリティ事故から得られる教訓は、他の企業にとっても重要です。以下の対策を講じることで、ビジネスチャットのセキュリティを強化することができます。

多要素認証の導入

すべてのシステムに対してMFAを実施することで、アカウントへの不正アクセスを防ぐことができます。

アクセス権の厳格な管理

従業員に必要な最小限のアクセス権を付与し、定期的に見直すことで、情報漏洩のリスクを低減できます。

セキュリティ教育の強化

従業員に対して定期的なセキュリティトレーニングを実施し、マルウェアやフィッシング攻撃のリスクについての認識を高めることが重要です。

監視体制の強化

SIEMツールやユーザー行動分析(UEBA)を導入し、異常な行動をリアルタイムで監視することで、迅速な対応が可能になります。

結論

上記に上げさせていただきました対策の最適解が、オンプレのチャットといえるでしょう。
「多要素認証・シングルサインオン」や「当事者のみが復号可能なエンドツーエンド暗号化」はもとより、サーバーやデータベースを保持するため、データへのアクセスと管理を独自に行え、セキュリティポリシーを厳密に適用することを可能にします。当社取り扱いの「Rocet.Chat」は無償で使用を開始できるCommunityVerがございます。
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