「Rocket.ChatをSaaSとして利用するのではなく、自社サーバで運用してデータを完全に管理したい」「AWSを使えば初期費用を抑えてチャット基盤を構築できると聞いたが、具体的な手順がわからない」——こうしたご相談をいただく企業は増えています。
AWSへのRocket.Chat構築は、コスト効率の高さとカスタマイズ自由度の両立という点で魅力的な選択肢ですが、EC2の設定やセキュリティグループの構成など、ひとつひとつの手順を正確に踏む必要があります。
本記事では、AWS EC2を使ったRocket.Chatサーバ構築の手順を、IT担当者向けに詳しく解説します。無料利用枠を活用した検証環境の構築から、本番環境を想定したセキュリティ設定まで網羅します。
対象読者
- 自社専用のチャット環境を構築したい方
- AWSでの運用を検討しているシステム担当者
課題
- SaaS型では自社のセキュリティ要件を満たせない
- AWS EC2への具体的なインストール手順がわからない
この記事で分かること
- AWS環境の準備とEC2構築の具体的な手順
- Rocket.Chatのインストールと初期設定方法
- 運用コストの目安と本番向けのセキュリティ対策
AWSでRocket.Chatを自社構築するメリット(定義・背景)
AWS(アマゾン ウェブ サービス)でRocket.Chatを自社構築するメリット(定義・背景)について解説します。クラウド版のチャットのセキュリティについて、各種ニュースが話題になっています。自社の機密情報を扱うコミュニケーションシステムにおいて、データの保管やモニタリング監視などがどのようにされているかを明確に把握できる自社構築の需要が高まっています。
SaaSとオンプレミス型(自社構築)の違い
SaaSとオンプレミス型(自社構築)の違いは、システムの運用形態とデータの管理手法にあります。SaaSは提供事業者のサーバーを利用するため、手軽に導入できます。一方で、オンプレミス型は自社専用の環境にシステムを構築するため、セキュリティポリシーに合わせた柔軟な運用を実現できます。
| 比較項目 | SaaS(クラウドサービス) | オンプレミス型(自社構築) |
|---|---|---|
| データ管理 | 事業者の環境に依存 | 自社で完全に管理および統制が可能 |
| カスタマイズ性 | 提供される機能の範囲内 | 要件に合わせて自由に拡張が可能 |
| セキュリティ | 事業者の規約と対策に準拠 | 自社の厳格な基準を適用可能 |
| 初期導入の手間 | アカウント作成のみで即時利用 | サーバー構築とソフトウェアのインストールが必要 |
総務省が公開しているクラウドサービスを利用する際の情報セキュリティ対策からわかるように、サービス規約を十分に読んで理解してからサービスを利用することが重要です。自社構築を選択することで、データがどこに保存され、どのように管理されているかを正確に把握できます。
AWS構築が選ばれる3つの理由:コスト・セキュリティ・カスタマイズ性
AWS構築が選ばれる3つの理由は、コスト・セキュリティ・カスタマイズ性の高さです。従来の物理サーバーを用いたオンプレミス環境と比較して、クラウドインフラであるAWSを活用することで多くの恩恵を得られます。
第一に、コストの最適化を実現できます。AWSのEC2(仮想サーバー)を利用することで、初期のハードウェア購入費用を抑えられます。Rocket.ChatのCommunity版を利用することでライセンス無料でチャットサーバーを構築できるため、インフラの従量課金のみで専用のシステムを運用できます。
第二に、高度なセキュリティ環境を構築できます。AWSが提供する強固なネットワーク制御を利用することで、安全な通信経路を確保できます。自社専用のインスタンス(サーバー)内にデータベースなど必要なものを一式すべて導入できるため、他のユーザーと環境を共有するリスクを排除できます。
第三に、圧倒的なカスタマイズ性を備えています。自社の業務フローに合わせて、Active Directory(アクティブディレクトリ)との連携や独自のシステム統合を自由に行うことができます。ユーザー数の増加に伴うサーバースペックの変更も、AWSの管理画面から容易に対応できます。
※「AWS」「EC2」は、Amazon.com, Inc.またはその関連会社の商標です。
※「Active Directory」は、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標または商標です。
事前準備|必要なAWS環境とライセンス

システムの構築を始める前に、事前準備|必要なAWS環境とライセンスについて解説します。Rocket.Chatはオープンソースのビジネスチャットシステムであり、コミュニティ版を選択することでライセンス費用をかけずに利用できます。システムを稼働させる基盤として、アマゾンウェブサービスジャパン合同会社が提供するクラウド環境を準備する必要があります。
AWSアカウントの準備と無料利用枠の活用
まずは、AWSアカウントの準備と無料利用枠の活用について説明します。初めてAWS(アマゾンウェブサービス)を利用する場合は、公式サイトからアカウントを作成することで、クラウド環境の利用を開始できます。アカウント作成時には、連絡先情報やクレジットカード情報の登録が必要です。
AWS(アマゾンウェブサービス)には、新規登録から12ヶ月間利用できる無料利用枠が用意されています。この無料利用枠を活用することで、初期費用を抑えながらRocket.Chatの動作検証を実施できます。ただし、無料利用枠の対象となるリソースには制限があるため、本番環境として本格的に運用を開始する際は、適切なスペックへの見直しが必要です。クラウドサービスの利用にあたっては、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が公開している中小企業の情報セキュリティ対策ガイドラインなどの公的な資料からセキュリティの基本方針を確認しておくことを推奨します。
必要なEC2インスタンスタイプの目安
次に、必要なEC2インスタンスタイプの目安について解説します。Amazon EC2(Amazon Elastic Compute Cloud)を利用することで、AWS(アマゾンウェブサービス)上に仮想サーバーを構築できます。利用するユーザー数やデータ量に応じて、適切なCPUやメモリを備えたインスタンスタイプを選択できます。
公式の推奨要件を満たし、快適な動作を確保するためには、最低でも2GB以上のメモリを搭載した環境を準備することが重要です。以下の表に、利用規模に応じたインスタンスタイプの目安をまとめました。
| 利用規模(ユーザー数) | 推奨インスタンスタイプ | メモリ容量 | 想定される用途 |
|---|---|---|---|
| 10名以下 | t3.small | 2GB | 少人数でのテスト利用や動作検証 |
| 10名〜50名 | t3.medium | 4GB | 小規模なチームでの日常的な業務連絡 |
| 50名〜200名 | t3.large または m5.large | 8GB | 部門全体や中小企業での本格的な運用 |
ストレージ(Amazon EBS)については、OS(オペレーティングシステム)の領域に加えて、アップロードされる画像やファイルの保存領域を考慮し、初期段階から30GB以上の容量を確保しておくことで、容量不足によるシステムの停止を防ぐことができます。また、将来的にユーザー数が増加した場合でも、AWS(アマゾンウェブサービス)の管理画面からインスタンスタイプを変更することで、柔軟にシステムを拡張できます。
※「AWS」「Amazon Web Services」「Amazon EC2」「Amazon EBS」は、Amazon.com, Inc.またはその関連会社の商標です。
※「Ubuntu」は、Canonical Ltd.の商標または登録商標です。
【手順1】AWSでEC2インスタンスを作成する

【手順1】AWSでEC2インスタンスを作成する工程では、まず専用のチャットサーバとなる環境を準備できます。Amazon Web Services, Inc.が提供する無料利用枠環境を活用することから、コストを抑えてEC2(Amazon Elastic Compute Cloud)インスタンスを1台構築できます。インスタンスを作成すると、クラウド上のシステムを管理するための一意の識別子が割り当てられます。
EC2マネジメントコンソールでの設定手順
EC2マネジメントコンソールでの設定手順は、画面の案内に従って進めることでわかりやすく完了できます。管理画面から仮想サーバとなるインスタンスを立ち上げることができます。OS(オペレーティングシステム)のイメージであるAMI(Amazon Machine Image)から、Rocket.Chatの稼働に適したLinuxディストリビューションを選択できます。無料利用枠の対象となっているインスタンスタイプを選ぶことで、安全かつ手軽に構築を体験できます。ネットワーク設定やストレージの容量もこの画面から指定できます。設定項目が多く感じる場合でも、基本的にはデフォルトの推奨値を利用することで、スムーズに次へ進むことができます。
セキュリティグループのポート設定(SSH・Rocket.Chat)
セキュリティグループのポート設定(SSH・Rocket.Chat)は、安全な通信を確保するために非常に重要な工程となっています。クラウド環境のネットワークセキュリティを担保するため、外部からアクセスできるポートを最小限に制限できます。IPA(独立行政法人情報処理推進機構)の中小企業の情報セキュリティ対策ガイドラインなどでも、不要なポートを閉じることで不正アクセスのリスクを低減できると示されています。EC2インスタンスに対する通信を制御するため、以下の表のように必要なポートのみを開放できます。
| プロトコル | ポート番号 | 用途 |
|---|---|---|
| TCP(Transmission Control Protocol) | 22 | SSH(Secure Shell)によるサーバの遠隔操作 |
| TCP(Transmission Control Protocol) | 3000 | Rocket.ChatのシステムへのWebアクセス |
AWSのセキュリティグループの設定でSSHのポートとRocket.Chatのポートを開けておくことで、後の手順となるインストール作業やブラウザからの動作確認を正常に実行できます。セキュリティグループのルールは作成後からでも変更できるため、運用状況に合わせて柔軟に見直すことができます。
※「AWS」「Amazon Web Services」「Amazon EC2」は、Amazon.com, Inc.またはその関連会社の商標です。
※「Rocket.Chat」は、Rocket.Chat Technologies Corp.の商標または登録商標です。
【手順2】EC2上にRocket.Chatをインストールする

EC2上にRocket.Chatをインストールする手順についてわかりやすく解説いたします。AWS(アマゾン ウェブ サービス)環境の準備が整った状態から、実際にシステムを稼働させるまでの具体的なプロセスを確認できます。
SSHで接続する手順
まずは作成したAmazon EC2(アマゾン イーシーツー)のインスタンスへ、SSH(セキュアシェル)で接続する手順を進めます。手元のパソコンからクラウド上のサーバーを遠隔操作するために必要な作業です。
Windows環境の場合はTera Termなどのターミナルソフトを、macOS環境の場合は標準のターミナルアプリを利用できます。接続時には、インスタンス作成時にダウンロードした秘密鍵ファイル(.pem)を指定する必要があります。正しい秘密鍵を指定しないとサーバーにログインできないため、ファイルの保管場所を事前に確認しておくとスムーズに作業できます。
| OS環境 | 推奨される接続ツール | 接続に必要な主な情報 |
|---|---|---|
| Windows | Tera Term、PuTTYなど | パブリックIPアドレス、ユーザー名、秘密鍵 |
| macOS/Linux | 標準ターミナル | パブリックIPアドレス、ユーザー名、秘密鍵 |
ターミナルから指定のIPアドレスへアクセスし、ユーザー名(Amazon Linuxの場合は「ec2-user」、Ubuntuの場合は「ubuntu」など)を入力してログインを完了させることができます。
snapコマンドを使ったRocket.Chatのインストール
SSHでの接続が完了したあとは、snapコマンドを使ったRocket.Chatのインストールを進めます。以前はデータベースなどの必要なソフトウェアを個別に設定する必要がありましたが、現在はこのコマンドを利用することで必要なパッケージを一括で導入できるため、手間を大幅に削減できます。
コマンドラインに以下のコマンドを入力して実行できます。
sudo snap install rocketchat-server
このコマンドを1行送信するだけで、Rocket.Chatの稼働に必要なソフトウェア一式が自動的に導入されます。データベースなど必要なものが一式すべて導入されるため、自分専用のインスタンスに専用のチャットサーバーを簡単に構築できます。
初期設定とアドミンアカウントの作成
インストールが完了したあとは、初期設定とアドミンアカウントの作成を進めます。ブラウザを開き、構築したインスタンスのパブリックIPアドレス(ポート3000番)へアクセスすることで設定画面を表示できます。
画面の指示に従い、管理者となるユーザーの氏名、メールアドレス、パスワードを入力してアドミンアカウント(管理者アカウント)を登録できます。このアカウントは、システム全体の管理や他のユーザーを招待する際に必要となる重要な情報です。セキュリティを確保するため推測されにくい複雑なパスワードを設定することが推奨されます。
管理者の登録が終わると、組織情報やサーバー情報の入力画面に遷移します。すべての入力が完了すると自分専用のチャット画面が表示され、チャットしたい人達をユーザー登録していくと、気軽にチャットを利用できます。
※「Amazon Web Services」「AWS」「Amazon EC2」「Amazon Linux」はAmazon.com, Inc.またはその関連会社の商標です。
※「Rocket.Chat」はRocket.Chat Technologies Corp.の商標または登録商標です。
※「Windows」は米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標です。
※「macOS」は米国Apple Inc.の米国およびその他の国における登録商標です。
※「Ubuntu」はCanonical Ltd.の商標または登録商標です。
【手順3】本番運用に向けたセキュリティ・運用設定

【手順3】本番運用に向けたセキュリティ・運用設定では、安全にチャットシステムを利用するための重要なポイントを解説していく内容となっています。AWS(Amazon Web Services)上に構築した直後の状態では、通信が暗号化されていないなどの課題が残っています。そのため、本番環境としてユーザーへ提供する前に、適切な保護対策を実施することが必要です。
HTTPS化(SSL証明書の設定)
HTTPS化(SSL証明書の設定)を行うことで、通信内容を暗号化し、第三者からの盗聴や改ざんを防ぐことができます。標準状態のHTTP通信では、パスワードなどの機密情報が平文で送信されてしまうため、SSL(Secure Sockets Layer)証明書の導入が不可欠です。無料で利用できるLet's Encryptなどを活用することで、コストを抑えながら安全な通信経路を確立できます。
具体的な手順としては、NginxなどのWebサーバーをリバースプロキシとして配置し、SSL証明書を適用する構成が一般的です。これにより、外部からのアクセスを安全に処理し、内部のチャットシステムへ安全に中継できます。また、証明書の有効期限切れを防ぐために、自動更新の仕組みを組み込むことで、運用時の手間を大幅に削減できます。
バックアップ設定のベストプラクティス
バックアップ設定のベストプラクティスとして、システム全体とデータ単体の両方を定期的に保全する仕組みを構築できます。AWS環境では、目的に応じて複数のバックアップ手法を組み合わせることで、障害発生時の迅速な復旧を実現できます。以下の表は、推奨されるバックアップ手法とその特徴を整理したものです。
| バックアップ対象 | 推奨されるAWS機能 | 特徴と取得頻度の目安 |
|---|---|---|
| システム全体(OS/設定ファイル) | Amazon EBSスナップショット | サーバー丸ごとの状態を保存できます。週に1回程度の取得が推奨されています。 |
| チャットデータ(データベース) | Amazon S3へのエクスポート | テキストや添付ファイルを安全に保管できます。毎日深夜などの定期取得が効果的です。 |
これらの設定を自動化することで、管理者の負担を減らしつつ、確実なデータ保護を維持できます。万が一のトラブルに備えて、取得したバックアップデータからシステムを復元する手順も事前に確認しておくことで、より安心して運用できます。
ユーザー管理とアクセス制御の設定
ユーザー管理とアクセス制御の設定を厳格に実施することで、不正アクセスのリスクを大幅に低減できます。誰でも自由にアカウントを作成できる状態を避け、管理者のみがユーザーを招待できる閉鎖的な環境を構築できます。また、各ユーザーには業務に必要な最小限の権限のみを付与し、情報漏えいを未然に防ぐことが重要です。
さらに、パスワード認証に加えて多要素認証を有効化することで、アカウントの乗っ取り被害を防止できます。サイバー攻撃の手口は年々高度化しているため、最新の脅威動向を把握し対策を講じることが求められています。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が発表している情報セキュリティ10大脅威などの公的な情報源から、定期的にセキュリティ情報を収集し、システムの設定を見直すことができます。
システム内でユーザーを識別する際は、重複のない一意の識別子を用いて管理することで、運用上の混乱を避けることができます。これらの対策を総合的に実施することで、企業内で安全に利用できる強固なチャットシステムを完成させることができます。
構築後の運用コストの目安とスケールアップのポイント

構築後の運用コストの目安とスケールアップのポイントについて詳しく解説していく内容となっています。AWS(アマゾン ウェブ サービス)環境でRocket.Chatを運用する場合、初期構築だけでなく、長期的な運用を見据えたコスト管理や、利用状況に応じた柔軟な拡張計画を立てておくことが重要といえます。
AWS EC2の料金目安(インスタンスタイプ別)
AWS EC2の料金目安(インスタンスタイプ別)について把握しておくことは、運用計画を立てるうえで欠かせない要素となっています。AWSの料金は従量課金制を採用しており、選択するインスタンスタイプや稼働時間によって月額の費用が変動する仕組みといえます。Rocket.Chatを快適に動作させるためには、ユーザー数やメッセージの送信頻度に応じた適切なスペックを選ぶことが推奨されています。
以下は、一般的な利用規模に合わせたインスタンスタイプと、月額料金の目安を整理した表です。なお、実際の料金は為替レートやAWSの料金改定によって変動する可能性があるため、最新の情報は公式サイトから確認することが大切といえます。
|
インスタンスタイプ |
スペック目安(vCPU/メモリ) | 想定ユーザー数 | 月額料金の目安 |
|---|---|---|---|
| t3.micro | 2 vCPU / 1GB | 10名程度(テスト利用) | 約1,500円から2,000円 |
| t3.small | 2 vCPU / 2GB | 10名から50名程度 | 約3,000円から4,000円 |
| t3.medium | 2 vCPU / 4GB | 50名から100名程度 | 約6,000円から8,000円 |
小規模なチームで導入を開始する場合は、コストを抑えやすいt3.smallなどから運用を始めることが推奨されています。その後、システムの利用状況を監視しながら、必要に応じてリソースを調整していくアプローチが効率的となっています。
ユーザー数増加時のスケールアップ方法
ユーザー数増加時のスケールアップ方法について理解しておくことで、将来的な組織の拡大にも柔軟に対応できます。Rocket.Chatの利用が広がり、登録ユーザー数や同時接続数が増加してくると、サーバーの応答速度が低下する可能性があります。そのような場合には、AWSの機能を活用してシステムの処理能力を向上させることが可能です。
具体的な手法として、EC2インスタンスのタイプを上位のものに変更するスケールアップ(垂直スケール)という方法があります。AWSの管理画面から数回の操作を行うだけで、CPUやメモリの容量を拡張できます。システムの停止時間を最小限に抑えつつ、迅速にパフォーマンスを改善できるのが大きな利点となっています。
また、さらに大規模な運用が必要となった場合には、複数のサーバーで負荷を分散させる構成に変更することも検討の余地があります。クラウド環境の利点を活かすことで、オンプレミス環境と比較して柔軟な対応が可能となっています。システムの拡張や運用を検討する際は、総務省が提供するクラウドサービス利用時の情報セキュリティ対策などの公的なガイドラインも参考にしながら、安全かつ安定した運用体制を構築していくことが推奨されています。
※「AWS」「アマゾン ウェブ サービス」「EC2」はアマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社またはその関連会社の商標です。
よくある質問(FAQ)
AWS無料利用枠でRocket.Chatは本番運用できますか?
AWS(アマゾン ウェブ サービス)の無料利用枠でRocket.Chatを本番運用することは推奨されるものではありません。無料利用枠で提供されるEC2(Amazon Elastic Compute Cloud)のインスタンスタイプは、メモリやCPUのスペックが限られているため、複数ユーザーでの同時接続やファイル共有を行うとパフォーマンスが低下する可能性があります。
| 項目 | 無料利用枠(例) | 本番運用推奨(例) |
|---|---|---|
| インスタンスタイプ | t2.micro | t3.medium以上 |
| メモリ | 1GB | 4GB以上 |
| 適した用途 | テスト環境、個人利用 | ビジネス利用、数十人規模のチーム |
本番運用には適切なスペックのインスタンスを選択し、安定した環境を構築することが重要となっています。
構築後にRocket.Chatのバージョンアップはどうやって行いますか?
構築後にRocket.Chatのバージョンアップを行う方法は、インストール手順によって違う手順となるのが一般的です。Snap(スナップ)コマンドを使用してインストールした場合は、自動的に最新バージョンに更新される設定にすることができます。手動で更新する場合は、SSH(セキュアシェル)でEC2インスタンスに接続し、所定のコマンドを実行することでバージョンアップが可能です。アップデート前には必ずバックアップを取得し、安全に作業を進めることができます。
AWSへの構築に専門的なエンジニア知識は必要ですか?
AWSへの構築には、ある程度の専門的なエンジニア知識が必要となっています。EC2インスタンスの作成やSSH接続、セキュリティグループの設定など、サーバーおよびネットワークに関する基礎知識が求められるのが理由です。ただし、公式ドキュメントや手順書を参照しながら進めることで、基本的な構築は十分に実施できます。セキュリティ設定やバックアップの自動化など、高度な運用を検討する場合は、専門家のサポートを受けることも一つの選択肢となっています。
オンプレミスサーバとAWSどちらが安全ですか?
オンプレミスサーバとAWSのどちらが安全かは、運用体制やセキュリティ対策の実施状況に左右されるのが特徴です。AWSは物理的なデータセンターのセキュリティが非常に高く保たれており、インフラストラクチャレベルでの安全性は強固なものとなっています。一方で、オンプレミスサーバは自社内で完全にデータを管理できるため、外部ネットワークからの隔離を容易に行うことができます。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の中小企業の情報セキュリティ対策ガイドラインから確認できるように、クラウドサービスを利用する際も適切なアクセス制御や設定を行うことで、高い安全性を確保できます。どちらを選択する場合でも、自社のセキュリティポリシーに合わせた適切な設定と運用管理を行うことが重要となっています。
三和コムテックにAWSへの構築サポートを依頼できますか?
はい、三和コムテック株式会社にAWSへの構築サポートをご依頼いただくことができます。三和コムテック株式会社では、Rocket.Chatの導入からAWS環境の構築、セキュリティ設定、運用保守まで、お客様のニーズに合わせた包括的なサポートを提供できる体制を整えています。専門的な知識を持つエンジニアが対応するため、安全かつスムーズに自社専用のチャット環境を構築できます。詳細なサポート内容や費用については、公式ウェブサイトからお問い合わせいただくことで確認できます。
※「Amazon Web Services」「AWS」「Amazon Elastic Compute Cloud」および「EC2」は、Amazon.com, Inc.またはその関連会社の商標です。
※「Rocket.Chat」は、Rocket.Chat Technologies Corp.の商標です。
まとめ
本記事では、AWS環境にRocket.Chatを構築する手順やセキュリティ設定について解説しました。AWSでの自社構築は、SaaSと比べて高度なセキュリティを確保しやすく、柔軟なカスタマイズが可能である点が大きなメリットです。
EC2へのインストールやHTTPS化、バックアップなどの設定を適切に行うことで、安全な本番運用が実現します。将来的なユーザー数の増加にも、AWSの機能で柔軟にスケールアップが可能です。
自社での構築や運用に不安がある場合は、三和コムテックなどの専門サポートの活用も有効です。自社に最適な環境を構築し、安全なコミュニケーションを実現しましょう。
Rocket.Chatプロダクトマネージャー PCハードメーカーの企画営業としてエンタープライズ企業を担当、2023年三和コムテックに入社。
新規ソリューションの営業・企画面にて参画。中小企業から年商1,000億円以上の企業まで幅広く対応。
PCIDSS保持に関するセキュリティソリューションの導入を支援。脆弱性診断系を専門分野とする。
近年は、金融機関、カード会社、流通事業者へのセキュリティコミュニケーションツールとしてオンプレミスチャットの導入を推進。Security情報の啓蒙活動に従事し、お客様イベントにて講演多数。
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- Rocket.Chat
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- ビジネスチャット システム連携・統合








