リアルタイムで脅威をキャッチ!
サイバー攻撃可視化ツールの選び方と導入のコツ

 2025.01.16  三和コムテック

サイバー攻撃の脅威は年々増大しており、企業や個人に深刻な影響を与える可能性があります。本記事では、代表的なサイバー攻撃の種類とその対策、さらにリアルタイムでの可視化ツールの活用について解説しています。可視化ツールを導入することで、攻撃を迅速に発見・対応し、被害を最小限に抑えることが可能です。企業のIT資産を守るために、具体的な対策を確認し、セキュリティ強化に役立てましょう。

サイバー攻撃とは?種類と対策

サイバー攻撃とは?種類と対策

サイバー攻撃とは、インターネットやネットワークを介してシステムやデータに対して行われる不正行為の総称です。企業のIT資産を守るための対策として、種類や対策も押さえておきましょう。

代表的なサイバー攻撃

サイバー攻撃は、その手法や目的によってさまざまな種類があります。

  1. マルウェア攻撃
    データの破壊、情報の盗難、システムの乗っ取りを行う攻撃
  2. フィッシング
    個人情報(パスワード、クレジットカード情報など)を騙し取る手法
  3. DDoS攻撃
    大量のトラフィックをサーバに送りつけ、過負荷でサービスをダウンさせる攻撃
  4. MITM攻撃
    通信内容を傍受したり改ざんしたりする攻撃
  5. SQLインジェクション
    不正なSQLクエリを挿入して、機密情報を盗み出す攻撃

これらの攻撃は個人や企業に甚大な被害をもたらすことがあり、適切な対策が必要です。

下記記事では、ニコニコ動画を運営するKADOKAWAグループへのサイバー攻撃について、概要や対応策を解説していますのであわせてご覧ください。
ニコニコ動画が襲われた!サイバー攻撃の恐怖と対策

サイバー攻撃は可視化で対策

サイバー攻撃に対する対策として、可視化は非常に有効です。可視化とは、ネットワークのトラフィックやシステムの挙動をリアルタイムで監視し、異常な動きを検知する仕組みです。これにより、攻撃が発生した際に早期に察知でき、迅速な対応が可能になります。

例えば、通常と異なる大量のデータ送信やアクセス試行を即座に発見し、DDoS攻撃や不正アクセスを防止できます。可視化することで、攻撃の被害を最小限に抑え、セキュリティの強化につながります。

サイバー攻撃をリアルタイムで確認するにはXも有効

サイバー攻撃をリアルタイムで確認するためにSNSの「X」(旧Twitter)も有効です。多くのセキュリティ専門家や企業が、リアルタイムで攻撃に関する情報(復旧状況報告など)をX上で共有しています。

ハッシュタグやセキュリティアカウントをフォローしておけば、最新の攻撃手法やセキュリティインシデントの速報が得られることがあります。また、政府機関やセキュリティベンダーもXを利用して、重要なサイバー攻撃情報や対策を迅速に発信しているため、状況把握に役立ちます。ただし、主観的な意見もあるため、情報の正確性には注意が必要です。

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サイバー攻撃可視化ツールの導入で期待できる効果

サイバー攻撃可視化ツールの導入で期待できる効果

サイバー攻撃可視化ツールの導入は、企業のセキュリティ対策をより高度化し、効果的なものにする上で非常に有効です。具体的に期待できる効果は以下の通りです。

  • リアルタイムで脅威の検知ができる
  • 攻撃ルートの検出・分析ができる
  • セキュリティ対策の効果が分かる
  • 企業全体のセキュリティ意識が向上する

可視化ツールはセキュリティ対策の効率化と強化に大きな効果を発揮します。それぞれの効果を詳しく解説します。

リアルタイムで脅威の検知ができる

リアルタイムでの脅威検知と対応は、サイバー攻撃に対抗するための最も重要なセキュリティ対策の1つです。脅威検知システムは、ネットワークやシステム上の異常な動きを監視し、通常の動作と異なる兆候を瞬時に察知します。これにより、マルウェアの侵入や不正アクセスの試みなどのサイバー攻撃が早期に発見できます。

早期発見により、セキュリティチームは迅速に対策を講じることができ、被害を最小限に抑えることができるでしょう。

攻撃ルートの検出・分析ができる

攻撃ルートの検出・分析は、サイバー攻撃を未然に防ぎ、被害を最小限に抑えられます。攻撃ルートとは、攻撃者がシステムやネットワークに侵入するために利用する経路や手段です。これを検出することで、攻撃がどこから始まり、どのように展開されたかを把握できます。

攻撃ルートの検出には、ネットワークトラフィックの監視やログ解析が用いられ、通常とは異なる挙動や不正アクセスの試みが見つかると、攻撃のルートが浮かび上がります。このデータを分析することで、攻撃者が使用した脆弱性や手法、侵入後の動きを明確にし、再発防止に向けた適切な対策が可能です。

セキュリティ対策の効果が分かる

セキュリティ対策の効果を把握することは、企業や組織がサイバー攻撃に対してどれだけ防御力を持っているかを評価するために重要です。これには、定期的なセキュリティ監査や脆弱性診断を実施し、システムやネットワークのセキュリティレベルを確認します。

また、ログ解析や侵入検知システムを活用して、攻撃の兆候や異常な活動をリアルタイムで監視することも有効です。さらに、インシデント発生時の対応速度や復旧の迅速さも、対策の効果を評価する重要な指標です。

企業全体のセキュリティ意識が向上する

サイバー攻撃可視化ツールの導入は、企業全体のセキュリティ意識向上に大きな効果をもたらします。まず、リアルタイムでサイバー攻撃や脅威の状況を視覚的に把握できるため、従業員は日々の業務で潜在するリスクを具体的に認識可能です。

また、可視化によってセキュリティに対する「見える」脅威が明らかになることで、従業員は自分の行動が企業全体の安全にどれほど影響するかを理解しやすくなります。これにより、日常業務でのセキュリティ対策への取り組みが強化され、経営層から従業員までが一体となったセキュリティ意識向上が期待されます。

サイバー攻撃の可視化ツール・アプリ6選

サイバー攻撃のリアルタイム可視化ツール・アプリ6選

サイバー攻撃の可視化ツールの導入で、攻撃の早期発見や、その詳細な分析が可能となり、迅速な対応につながることが分かりました。ここではおすすめのツール・アプリケーションを6つご紹介します。

SCT SECURE クラウドスキャン

SCT SECURE クラウドスキャンは高度なクラウド型セキュリティサービスで、サイバー攻撃のターゲットとなり得る脆弱性が存在するかを定期的に診断します。

企業のネットワークやシステムを監視し、サイバー攻撃や潜在的な脅威を即座に検出可能です。
また、高度なASV認定を継続して取得し、毎年更新される厳しい基準をクリアしているため、その品質と信頼性が担保されています。決済関連の情報を扱う企業においても、PCI DSSの安全基準を満たした状態で利用できる点が特徴です。

コンプライアンス要件に対応したレポート機能も備え、企業全体のセキュリティレベルを向上させるための総合的な対策を提供します。

IBM X-Force Exchange

IBM X-Force Exchangeは、サイバー脅威インテリジェンスを提供するプラットフォームで、グローバルなセキュリティコミュニティがリアルタイムでサイバー攻撃の情報を共有し、脅威に対処できるよう支援します。

企業やセキュリティ専門家は、最新の脅威データ、攻撃手法、悪意のあるIPアドレスやドメイン情報などを確認し、潜在的なリスクを特定可能です。また、脅威インテリジェンスデータを活用して、自社のセキュリティ対策を強化し、迅速に対応するための情報を得られます。X-Force Exchangeは、サイバーセキュリティ対策を支援する高性能なツールです。

Tenable Nessus

Tenable Nessusは、世界中で広く利用されている脆弱性スキャナであり、企業のネットワークやシステムを定期的に診断して潜むリスクを可視化するツールです。誤検出率は業界内でも屈指の低さを誇ります。

多彩なプラグインやスキャンテンプレートを備え、OS・ミドルウェア・アプリケーションなど、幅広い領域の脆弱性を検出できる点が特徴です。Nessusで検出した脆弱性情報は、管理者が修正の優先度や対応方法を判断する際の有力な材料となります。

また、国際的なセキュリティベンチマークへの対応や、レポート機能も充実しているため、コンプライアンス遵守や継続的なセキュリティ向上を目指す企業にとって非常に有用なソリューションです。

Qualys

Qualysはクラウドベースで提供される総合的なセキュリティプラットフォームです。企業のネットワークやデバイス上に潜む脆弱性を自動検出・管理し、IT資産の監視からスキャン、レポート作成までを一元的に実行できます。

コンプライアンス遵守やポリシーチェックにも対応し、厳格なセキュリティ要件を求められる環境でも柔軟に運用可能です。リアルタイムのダッシュボードによってセキュリティ状況を可視化し、発見された脆弱性を優先度に応じて対策することで、リスク低減と運用効率の向上につながります

クラウド型のため導入が容易で、企業規模やシステム構成に合わせたスケールも可能です。さらに、定期的なスキャンのスケジュール化により、継続的に脆弱性を洗い出して早期に対策でき、安全な運用環境を維持しやすくなります。

VEX

VEXは高いシェア率を誇るアプリケーション脆弱性検証プラットフォームで、企業が運用するWebアプリケーションやクラウドサービスなどの脆弱性を効率的に検出・管理します。

自動化されたスキャンや多彩な検証手法により、開発の初期段階から本番運用中まで、継続的にリスクを可視化できる点が特長です。検出された脆弱性は、管理画面やレポート機能を通じて優先度や影響度を確認でき、早期の修正対応を促します。

PCI DSSなどのコンプライアンス要件にも対応しており、セキュリティレベルの向上と運用負荷の軽減を同時に実現するソリューションです。

さらに、開発者や運用担当者へのフィードバックループが整備されているため、チーム全体で速やかに情報を共有することも可能です。豊富なトレーニングメニューや導入後のきめ細かいサポートにより、ツール自体のクオリティだけでなくサポート体制にも定評があります。

CYBERTHREAT REAL-TIME MAP

「CYBERTHREAT REAL-TIME MAP」は、サイバー攻撃の状況をリアルタイムで可視化するツールです。世界中で発生しているサイバー攻撃の種類や発信元、攻撃対象などを地図上に表示し、視覚的に把握できるようにします。

このツールは、各国で発生するDDoS攻撃、マルウェア感染、フィッシング攻撃などをリアルタイムでモニタリングし、セキュリティの現状を把握するのに役立ちます。攻撃トレンドを把握し、潜在的なリスクを事前に検知することで、企業や政府機関のセキュリティ対策を強化するための有用な情報源として活用されています。

Splunk

Splunkは、企業のデータを収集、分析、可視化するためのソフトウェアプラットフォームです。特に、サーバ、アプリケーション、デバイス、センサー、ネットワークなどから生成される膨大なログデータをリアルタイムで処理し、IT運用やセキュリティ管理に役立てます

Splunkは、データの検索やモニタリング、可視化を容易に行えるダッシュボードを提供し、サイバー攻撃の検出や異常な活動の早期発見に効果的です。

また、マシンラーニングを活用して、パターンの分析や予測も可能にし、企業の運用効率を向上させ、迅速なトラブルシューティングを支援します。

Darktrace

Darktraceは、AIを活用したサイバーセキュリティソリューションを提供する企業で、ネットワーク、クラウド、エンドポイントなどの環境全体をリアルタイムで監視し、脅威を自動で検出・対応します。

Darktraceの特徴は「自己学習型AI」で、導入された環境内の通常の活動パターンを学習し、異常な振る舞いを迅速に察知します。これにより、ゼロデイ攻撃や内部からの脅威など、従来のセキュリティツールでは検出が難しい攻撃も早期に発見できるのが強みです。

サイバー攻撃可視化ツールを導入するポイント

サイバー攻撃可視化ツールを導入するポイント

サイバー攻撃可視化ツールを導入する際には、以下の点を考慮することで、より効果的なセキュリティ体制を構築できます。

  • 導入目的の明確化
  • ツールごとの機能比較
  • 導入規模と予算の検討
  • 導入後の運用の検討

それぞれを詳しく解説します。

導入目的の明確化

サイバー攻撃可視化ツールを導入する際には、導入目的を明確にすることが成功の鍵です。目的が明確でないと、ツールの機能が十分に活用されず、効果的な対策が講じられない可能性があります。

例えば、リアルタイムの脅威検知を重視するのか、過去の攻撃分析や脆弱性管理を強化したいのかによって、選ぶべきツールは異なります。企業が抱えるセキュリティリスクや業務上のニーズを分析し、何を達成したいのかを具体化することで、適切なツールを選定でき、効果的なセキュリティ強化が可能です。

ツールごとの機能比較

サイバー攻撃可視化ツールを選ぶ際には、ツールごとの機能比較が重要です。脅威検知のリアルタイム性、攻撃ルートの可視化、ログの詳細な分析機能、脆弱性スキャンなど、各ツールは異なる特徴を持っています

例えば、Splunkはログ管理と分析に強みがあり、DarktraceはAIを活用した脅威検知に優れています。目的やニーズに応じて、リアルタイムの対応が必要か、過去データの分析が重要かなどを考慮し、機能を比較することで、最適なツールを選択できます。また、導入後の運用のしやすさも比較のポイントです。

導入規模と予算の検討

サイバー攻撃可視化ツールの導入に際しては、導入規模と予算の検討がポイントとなります。

企業の規模やインフラ全体をカバーするために、どれくらいの範囲でツールを使用するのかを明確にしましょう。中小企業の場合、小規模で手軽なツールが適しているかもしれませんが、大企業では複雑なシステムに対応するため、高機能かつ広範囲をカバーできるツールが必要になります。

また、予算に応じてライセンス費用、導入コスト、サポート費用なども考慮し、長期的な運用コストも見積もることが大切です。予算に適したツールを選定することで、効率的なサイバーセキュリティ対策が可能になります。

導入後の運用を検討

サイバー攻撃可視化ツールを導入する際には、導入後の運用をしっかり検討することが重要です。ツールの導入がゴールではなく、その後の継続的な運用がセキュリティ体制の強化に直結します。

まず、ツールを管理・運用する担当者のスキルセットやトレーニングが必要です。また、ツールから得られる情報を迅速に分析し、適切に対応できる体制を整えることが大切です。

ツールの設定やアップデートを定期的に行い、最新の脅威に対応できる状態の維持も忘れてはなりません。運用コストやツールのサポート体制も考慮し、長期的に運用可能な計画を立てることがポイントとなります。

まとめ

サイバー攻撃には、マルウェアやフィッシング、DDoS攻撃などさまざまな手法があり、企業や個人に甚大な被害をもたらす可能性があります。これに対抗するため、サイバー攻撃を可視化し、リアルタイムで監視することは効果的な対策です。

三和コムテックのSCT SECURE クラウドスキャンは、最新の脅威情報と照らし合わせながら、システムに潜む脆弱性を定期的にスキャンし、サイバー攻撃につながるリスクを可視化します。また、クラウド型のサービスのため、場所を選ばずにご利用いただけます。

自社のセキュリティ強化の一案としてぜひご検討ください。
https://product.sct.co.jp/product/security/cloud-scan

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