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ブルートフォース攻撃(Brute Force Attack)は、サイバー攻撃の一形態であり、攻撃者がシステムやアカウントに対して、すべての可能な組み合わせのパスワードや認証トークンを繰り返し試行する手法です。ブルートフォース攻撃は、パスワードの弱さや簡単なトークンに依存せず、全ての可能性を試行することで、アクセスを不正に得ようとするものです。
【ブルートフォース攻撃の手法】
- パスワードの試行
攻撃者は、システムやアカウントに対して、すべての可能な組み合わせのパスワードを試行します。これには、辞書ワードや一般的なパスワードのリストを使用する方法も含まれます。 - 自動化
ブルートフォース攻撃は、自動化されたツールやスクリプトを使用して実行されることが一般的です。これにより、数多くのパスワードが高速で繰り返し試行されます。 - 継続的な試行
攻撃者は、継続的にパスワードの試行を行います。時間の経過や失敗した試行によって、アクセスの成功が可能になる場合もあります。
【具体的な事例】
- オンラインアカウントへの不正アクセス
オンラインアカウント(例:メールアカウント、SNSアカウント、オンラインバンキング)への不正アクセスを目的として、攻撃者がブルートフォース攻撃を行います。例えば、攻撃者が特定のユーザー名に対して複数のパスワードを試し、正しい組み合わせを見つけ出します。 - 暗号化されたファイルへのアクセス
データが暗号化されている場合、攻撃者はブルートフォース攻撃を使用して、暗号鍵を特定しようとします。暗号化されたファイルを解読するために、可能なすべての鍵を試行し、正しい鍵を見つけ出します。 - ネットワークデバイスへの不正アクセス
ネットワークデバイス(例:ルーターやファイアウォール)への不正アクセスを目的として、攻撃者がブルートフォース攻撃を使用します。管理者パスワードを特定するために、多数のパスワードを繰り返し試行します。
【ブルートフォース攻撃の対策】
- 強力なパスワードポリシー
強力なパスワードの使用を奨励し、パスワードの長さや複雑さの要件を定めます。 - 多要素認証
多要素認証(MFA)を導入し、パスワードだけでなく追加の認証要素を必要とすることで、ブルートフォース攻撃からの保護を強化します。 - アカウントロックアウト
失敗したログイン試行の一定回数を超えると、アカウントを一時的にロックアウトするなどの制限を設けます。 - ログの監視
不審なアクティビティや異常なログイン試行を監視し、早期に検知して対処します。 - アクセス制御
不正アクセスを防ぐために、ネットワークやシステムへのアクセスを制限します。
ブルートフォース攻撃は、シンプルで効果的な攻撃手法であり、十分なセキュリティ対策がなされていないシステムやアカウントに対して大きなリスクをもたらします。組織は、強力なパスワードポリシーや多要素認証などのセキュリティ対策を実施することで、ブルートフォース攻撃からの保護を強化する必要があります。