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中間者攻撃(Man-in-the-Middle Attack、MITM攻撃)は、攻撃者が通信の間に介入し、通信内容を盗聴、改ざん、または偽装する攻撃手法です。攻撃者は、送信者と受信者の間に位置し、双方が直接通信しているかのように見せかけることで、不正な活動を行います。
【中間者攻撃の仕組み】
盗聴(Eavesdropping)
攻撃者は、通信経路に入り込み、送信者と受信者の間で交わされるデータを傍受します。これにより、機密情報や個人情報を盗むことが可能です。
改ざん(Tampering)
攻撃者は、通信内容を傍受した後、その内容を変更してから受信者に送信します。これにより、受信者に誤った情報を伝えることができます。
偽装(Impersonation)
攻撃者は、送信者または受信者になりすまし、信頼関係を悪用して不正な指示やデータを送信します。
【中間者攻撃の種類】
Wi-Fiスニッフィング
攻撃者は、公衆Wi-Fiネットワークなどの不正アクセスしやすいネットワークを利用して、通信を傍受します。
DNSスプーフィング
攻撃者は、DNSサーバーを操作して正規のウェブサイトのIPアドレスを偽のIPアドレスに置き換え、ユーザーを偽のウェブサイトに誘導します。
HTTPSストリッピング
攻撃者は、HTTPS接続をHTTPにダウングレードすることで、暗号化された通信を暗号化されていない通信に変換し、傍受や改ざんを行います。
SSL/TLSインターセプション
攻撃者は、SSL/TLS接続を中断し、自分の証明書を使って通信を再暗号化することで、暗号化された通信の内容を解読します。
メールハイジャック
攻撃者は、メールサーバーにアクセスし、送受信されるメールを傍受、改ざん、または偽装します。
【中間者攻撃の防止策】
暗号化
通信データを暗号化することで、攻撃者がデータを傍受しても内容を解読できないようにする。SSL/TLSの使用が一般的です。
強力な認証方法
公開鍵基盤(PKI)やデジタル証明書を使用して、通信の相手を確実に認証する。
VPNの利用
仮想プライベートネットワーク(VPN)を使用して、安全な通信チャネルを確保する。
セキュアなWi-Fi設定
WPA3などの強力な暗号化プロトコルを使用し、パスワードを定期的に変更する。
ファイアウォールと侵入防止システム(IPS)
不正なアクセスや通信の異常を検出し、防止する。
セキュリティ意識の向上
ユーザーにフィッシング攻撃や偽サイトの識別方法を教育し、セキュリティ意識を高める。
中間者攻撃は、通信の機密性と完全性を侵害する重大な脅威です。適切なセキュリティ対策を講じることで、これらの攻撃からシステムやデータを保護することができます。