AutoMate開発の保守性を高める方法
RPAタスク設計 とドキュメント整備の極意

 2026.01.16  三和コムテック株式会社

RPAを導入したのはいいけれど、作ったロボットがブラックボックス化して、修正するのも一苦労……」 
「担当者が異動したら、誰もロボットの中身を理解できなくて困っている……」 

こんなお悩み、抱えていませんか? RPA(Robotic Process Automation)は業務効率化の強力な武器ですが、開発した自動化タスク(ロボット)の「保守性」考慮せずに進めると、後々大きなコストやリスクに繋がります。 特に、長期運用を前提とする企業にとって、この「保守性」はRPA資産の価値を左右する極めて重要な要素です。

この記事で分かること

  • AutoMate開発で保守性が重要な理由

  • RPAの属人化・ブラックボックス化を防ぐ方法
  • 保守性を高めるタスク設計の基本ポイント
  • 引き継ぎやすくするためのドキュメント整備の考え方

この記事では、三和コムテック株式会社が提供するRPAツール「AutoMate」を使った開発において、いかにして保守性を高めるかに焦点を当て、具体的なタスク設計のポイントと、適切なドキュメンテーションの極意を詳しく解説します。 開発担当者だけでなく、RPA推進者や運用担当者の方にも役立つ内容です。 

なぜ「保守性」がAutoMate開発において重要なのか? 

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保守性」とは、簡単に言えば「後から見て理解しやすく、修正や改善がしやすいこと」を指します。AutoMateのタスク開発において保守性が重要視されるのには、以下の明確な理由があります。 

長期的な運用コスト削減

保守性が低いタスクは、ちょっとした仕様変更やエラー対応に時間がかかり、結果として人件費などの運用コストが増大します。 保守性が高ければ、問題発生時の原因特定や改修が迅速に行え、余計なコストを削減できます。 

属人化の防止

タスクを開発した担当者以外が内容を理解できない状態(ブラックボックス化)は、その担当者の異動や退職によってRPA運用が立ち行かなくなるリスクをはらみます。保守性を高めることで、誰が見ても理解できる共通言語となり、属人化を防ぎます。

品質の維持・向上

保守性の高いタスクは、テストやレビューがしやすく、品質を維持しやすくなります また、小さな改善を積み重ねることで、継続的にタスクの性能を向上させることが可能です。 

再利用性の向上

共通部品化されたり、分かりやすく設計されたタスクは、他の業務への応用や再利用がしやすくなります これにより、新規開発の時間短縮や、RPA活用の横展開を加速させることができます。 

コンプライアンス・監査対応

業務プロセスを自動化しているRPAは、コンプライアンスや内部統制の観点からもその透明性が求められます。 適切に設計・ドキュメント化されていれば、監査時の説明責任を果たす上でも有利です。

AutoMateは直感的な操作が強みですが、その分、ルールを設けずに開発するとかえってタスクが乱雑になりがちです。 だからこそ、開発初期から「保守性」を意識した設計が不可欠なのです。 

業務量の見える化から始める業務効率化のススメ

AutoMateタスク設計の極意:
コードではなく「タスクフロー」を美しく  

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AutoMateは、従来のプログラミング言語のようにコードを書くのではなく、アクションを組み合わせてタスクを作成します。 そのため、「コードの美しさ」ではなく、「タスクフローの分かりやすさ」が保守性の鍵となります。 

1. タスクの「モジュール化」と「共通部品化」 

一つの巨大なタスクで全ての処理を行うのは避けましょう。 タスクを機能ごとに分割し、再利用可能な部品として管理することが重要です。 

  • メインタスクとサブタスク
    メインタスクは全体の流れを制御し、各処理の詳細はサブタスク(別のタスクファイル)に委譲します。 例えば、「ログイン処理」「データ抽出処理」「結果通知処理」など、具体的な業務単位でサブタスクを作成します。 これにより、メインタスクは非常にシンプルになり、全体の構造が把握しやすくなります。 

  • 共通部品タスク(ライブラリ)
    複数のタスクで共通して利用する処理(例:日付フォーマット変換、特定システムへのログイン処理、エラーメール送信)は、共通部品タスクとして独立させ、呼び出して利用します。これにより、同じ処理を何度も開発する手間が省け、修正が必要になった際も一箇所直すだけで済みます。

2. 変数・パス名の命名規則の統一 

変数の名前が適当だったり、同じ意味で複数の変数が使われたりすると、後からタスクを読み解くのが非常に困難になります。

  • 分かりやすい命名
    SalesDataTargetFilePathCustomerID など、変数名だけでその内容が理解できるように命名します。 略語は避け、英単語の先頭を大文字にするPascalCase(例:CurrentMonthSales)や、単語区切りにアンダースコアを使うsnake_case(例:current_month_sales)など、組織内で統一したルールを設けます。 
  • パスの管理
    ファイルパスは直接記述せず、設定ファイルやグローバル変数で管理しましょう。 環境が変わっても、設定ファイルを修正するだけで対応できるようになります。 

3. コメントとグループの活用

AutoMateには、タスク内に説明を追加する「コメントアクション」と、関連するアクションをまとめる「グループアクション」があります。 これらを最大限に活用しましょう。

  • コメントの粒度
    複雑な処理の前には、その処理の目的や概要をコメントで記述します。
    個々のアクションには不要ですが、複数のアクションが連なるブロックや、特殊な条件分岐の前など、「なぜこの処理が必要なのか」を説明するコメントは非常に有効です。 
  • グループによる視覚化
    関連するアクションをグループで囲むことで、タスクフローが視覚的に分かりやすくなります。
    例えば、「ログイン処理」「データ抽出ループ」「結果出力」といったセクションごとにグループ化すると、全体構造が一目で把握できます。 

4.  エラーハンドリングの標準化

予期せぬエラー発生時にロボットが停止しないよう、適切なエラーハンドリングを組み込むことは、保守性だけでなく安定稼働にも直結します。 

  • Try-Catchアクションの徹底
    エラーが発生しうる処理は必ずTry-Catchブロックで囲み、Catch部でエラー時の代替処理(例:再試行、エラーログ記録、関係者への通知)を実装します。 
  • エラーログの詳細化
    エラー発生時には、発生日時、エラーの種類、タスク名、処理中のデータ、エラーメッセージなど、原因特定に必要な情報を詳細にログに出力する仕組みを標準化します。 

  • 通知機能の活用
    AutoMate Control Center(ACC)やメール、Teams連携など、エラー発生を速やかに担当者に伝える自動通知機能を活用します。 

5. 環境依存の排除と設定ファイルでの管理 

開発環境と本番環境で異なる設定(ファイルパス、ログイン情報、URLなど)を直接タスク内に記述すると、環境移行時に大規模な修正が必要になります。 

  • 設定ファイルの利用
    環境に依存する値は、XMLファイルやExcelファイルなどの設定ファイルで外部化し、タスク実行時にその値を読み込むようにします。 
  • 変数での管理
    頻繁に変わる可能性のある値や、環境ごとに異なる値は、AutoMateの変数として管理するか、グローバル変数として定義し、タスク内ではその変数を利用します。

 

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AutoMate開発ドキュメンテーションの極意:
未来の自分と仲間への「手紙」

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優れたタスク設計と同じくらい重要なのが、適切なドキュメンテーションです。これは、未来の自分や、タスクを引き継ぐ仲間への「手紙」のようなものです。 

1. タスク概要・目的の明確化 

最も基本的ながら忘れがちなのが、タスクが「何のために」「何をするタスクなのか」を明確に記述することです。  

  • タスク名
    一目で内容がわかる具体的な命名(例:S_顧客マスタ登録_SAP連携、M_日次売上集計_レポート作成)。 
  • 概要説明
    タスクファイル(.amlファイル)のプロパティや、タスク冒頭のコメントブロックに、タスクの目的、処理概要、トリガー(実行条件)、想定する入出力、使用するシステムなどを簡潔に記述します。 

2. 設計書(仕様書)の作成

全てのタスクに詳細な設計書が必要とは限りませんが、複雑なタスクや基幹システム連携を行うタスクについては作成が必須です。 

  • 主要項目
    ①業務フロー図: 処理の全体像を視覚的に表現(Visio、draw.ioなど) 
    処理概要: タスクが実行する各ステップの詳細説明 
    入出力情報: どのようなデータを受け取り、どのようなデータを出力するか 
    エラー処理: どのようなエラーを想定し、どのように対応するか 
    前提条件・制約事項: タスク実行に必要な環境やデータ、考慮すべき点 
    変更履歴: バージョン、変更者、変更日時、変更内容 

  • 記述ツール
    Excel、Word、Confluence、Wikiなど、組織で使いやすいツールを選定し、標準化します。AutoMateのタスクフローを画像で貼り付けるのも有効です。 

3. テスト仕様書・テスト結果の記録

タスクの品質を保証し、変更時の影響範囲を確認するために不可欠です。

  1. テスト項目: 正常系、異常系、境界値など、テスト観点を網羅します 
  2. 期待値: テスト実行後の期待される結果を明確にします
  3. テスト結果: 実際の結果と、不一致があった場合の対応(修正、再テスト)を記録します 

4.運用手順書の作成

タスクを安定的に運用するために、運用担当者が必要な情報をまとめたものです。 

  1. 実行方法: 手動実行の場合のステップ、スケジュール実行の設定 
  2. 監視方法: AutoMate Control Centerでの監視ポイント、確認すべきログ 
  3. エラー発生時の対応: 一般的なエラーメッセージと、その原因、対処方法、連絡先 
  4. 定期メンテナンス: ログファイルの削除、バージョンアップ手順など

5. バージョン管理の徹底 

タスクファイル自体を適切にバージョン管理することも、重要なドキュメンテーションの一部です。 

  1. ファイル命名規則: TaskName_v1.0.aml のようにバージョンを明確に含める。 
  2. バージョン管理システム: GitやSVNといったツールを導入し、タスクファイルの変更履歴を管理し             ます。 これにより、過去のバージョンに戻したり、複数の開発者で安全   
                に共同開発したりすることが可能になります。
     
  3. 三和コムテックのサポート:バージョン管理のベストプラクティスについて、三和コムテックのサ
                 ポートやトレーニングで相談することも有効です。 

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まとめ:AutoMateは「育てる」資産へ 

AutoMateは、その強力な自動化能力を最大限に引き出すために、「開発したら終わり」ではなく、「育てていく」資産という視点が必要です。 

  この記事で紹介した 

  • モジュール化されたタスク設計
  • 分かりやすい命名規則とコメントの活用 
  • 堅牢なエラーハンドリング 
  • 環境に依存しない設定管理 
  • そして、未来を見据えたドキュメンテーション 

これらを徹底することで、あなたの会社のAutoMateは、担当者が変わっても、システムが変更されても、常に安定稼働し続ける「持続可能なRPA資産」へと進化します。
ぜひ今日から、これらの極意をあなたのAutoMate開発に取り入れてみてください。 きっと、RPAの真の価値を実感できるはずです。

AutoMateの導入や、開発・運用のベストプラクティスについて、さらに詳しく知りたい場合は、三和コムテック株式会社までお気軽にお問い合わせください。 私たちは、お客様のRPAを「育てる」パートナーとして、強力にサポートさせていただきます。 

また、無料相談会ハンズオンセミナーも定期的に開催しています。
実際の操作感や導入のポイントを知る絶好のチャンスですので、ぜひお気軽にご参加ください。

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かんたん!AutoMateでRPA

この記事の執筆・監修者
三和コムテック株式会社
IBM i プロダクト事業部三和コムテックは、お客様の「必要」をいち早く察知し、先取りする“新市場創出型”のITテクノロジー企業です。
DXやRPA、IBMi、セキュリティなど多彩な領域でソフトウェア開発・導入支援・コンサルティングを行い、
技術と発想の力で企業の課題解決と新たな価値創造を支援しています。
ブログでは、現場で培った知見をもとに、ビジネスを前進させる最新ソリューションやテクノロジー情報を発信します。

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