IBM iのテープバックアップに限界を感じたら?LTO運用からLaserVault ViTLへの移行ガイド

 三和コムテック株式会社

「夜間や休日のテープ交換に担当者が必要」「媒体の保管・搬送に手間がかかる」「テープ装置の老朽化や将来的な互換性が不安」――IBM i(旧AS/400)のバックアップで、物理テープ(LTO)運用にこうした課題を感じ始めていませんか。テープは長年実績のある媒体ですが、データ量の増加やIT人材不足を背景に、運用そのものを見直すタイミングが来ている企業も増えています。とはいえ、バックアップ方式を大きく変えることへの不安から、踏み出せずにいるケースも少なくありません。本記事では、IBM i向け仮想テープライブラリ「LaserVault ViTL」を例に、物理テープ運用の限界の正体と、既存運用を大きく変えずに移行する方法を解説します。

対象読者

  • IBM iのテープ運用に限界を感じている方
  • バックアップ業務を効率化したいIT担当者

課題

  • テープ交換や物理搬送による運用負荷
  • バックアップやリストア時間の長期化

この記事で分かること

  • 物理テープ運用が抱える具体的な課題
  • LaserVault ViTLによる運用改善とBCP対策

本記事を通じて、既存のバックアップ運用を見直し、より安全で効率的なデータ保護を実現するための具体的な手順と結論をご理解いただけます。

こんな悩みはありませんか?IBM iテープ運用が限界を迎えるサイン

IBM i(旧AS/400)のバックアップでは、現在も物理テープ(LTO)が利用されています。テープは長年利用されてきた実績があり、オフライン保管による災害対策や長期保管にも適した媒体です。

一方で、データ量の増加やIT人材不足、BCP/DR対策の高度化などを背景に、従来のテープ運用を見直す企業も増えています。経済産業省の調査データからわかるように、国内ではIT人材不足が課題となっており、バックアップ運用においても、担当者の手作業を減らし運用負荷を軽減することが重要になっています。

日々の業務の中で、以下のような状況が発生している場合、それはテープ運用が限界を迎えている明確な兆候と言えます。

限界を迎えるサイン 具体的な現場の悩み
運用負荷の増大 夜間や休日のテープ交換に担当者が必要で属人化している
管理コストの増加 媒体の保管や遠隔地への搬送に多大な手間と費用がかかる 
復旧作業の遅延 障害時に必要なテープを探し出して読み込むまでに時間がかかる 
将来への不安 テープ装置の老朽化や新しい規格との互換性に不安がある 

これらのサインは単なる現場の不満にとどまらず、企業全体のデータ保護戦略に対する大きなリスクとなります。物理テープの運用に限界を感じた場合、システムを根本から変更するのではなく、既存の仕組みを活かしながら運用を効率化できる選択肢を検討することが重要です。

IBM iの物理テープ運用が抱える4つの課題

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IBM iのバックアップにおいて、現在も物理テープ(LTO)が広く利用されています。テープは長年利用されてきた実績があり、オフライン保管による災害対策や長期保管にも適した媒体です。一方で、データ量の増加やIT人材不足、BCP/DR(事業継続計画/災害復旧)対策の高度化などを背景に、従来のテープ運用を見直す企業も増えています。ここでは、IBM iの物理テープ運用が抱える4つの課題について詳しく解説します。

①テープ交換・搬送による運用負荷

物理テープでは、バックアップの実行だけでなく、媒体の交換、ラベル管理、保管、搬送などの手作業が日常的に発生します。特に夜間や休日にテープ交換が必要な環境では、担当者の出社や待機が必要になる場合があります。手作業による交換忘れや媒体の取り違えなど、人為的ミスのリスクも無視できない課題です。日々の運用負荷を軽減するためには、物理的な作業を減らす仕組みが求められます。

②バックアップ・リストア時間の増加

IBM i上のデータ量が増加すれば、バックアップに必要な時間も増加します。夜間の限られた時間内にバックアップを完了させる必要がある場合、バックアップウィンドウの拡大は運用上の大きな制約となります。また、障害時にはバックアップを取得しているだけでなく、必要なデータへどれだけ早くアクセスして復旧できるかも重要です。物理テープでは、媒体の特定、取り出し、装置への装填といった物理的な工程が発生するため、リストアに多くの時間を要する傾向があります。

③BCP/DRにおける物理搬送の課題

災害対策としてバックアップデータを遠隔地へ保管する場合、物理テープでは媒体の搬送作業が不可欠です。そのため、バックアップ取得から遠隔地への保管までに時間差が発生し、最新のデータを保護できないリスクがあります。また、災害発生時には保管場所から媒体を取り寄せ、読み出し可能な環境を用意する必要があります。BCP/DRにおいては、「バックアップがある」だけでなく、「どこに、どの世代を保管し、どのように復旧するか」までを迅速に実行できる体制を整えることが重要です。

④テープ装置・メディアの世代管理問題

長期保管したバックアップデータを将来読み出すには、対応するテープドライブが必要です。LTO(Linear Tape-Open)は世代によって読み書きの互換性が異なるため、テープ装置を更改する際には注意が必要です。過去の媒体をどのように読み出すか、旧世代のドライブをどう確保するかといった世代管理の課題が常につきまといます。以下の表は、物理テープ運用における主な課題をまとめたものです。 

課題の分類 具体的な内容 運用への影響
運用負荷 テープの交換、ラベル管理、保管、搬送  担当者の拘束、人為的ミスの発生リスク 
時間の増加 データ増に伴うバックアップ・リストアの長期化  バックアップウィンドウの圧迫、復旧の遅延 
BCP/DR対策 遠隔地への物理的な媒体搬送  保管までのタイムラグ、災害時の迅速な復旧が困難 
世代管理 LTO世代間の互換性、旧ドライブの維持  装置更改時のデータ移行負担、長期保管データの読み出し不安 装置更改時のデータ移行負担、長期保管データの読み出し不安 

LaserVault ViTLで何が変わる?IBM iテープ運用からの移行アプローチ

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IBM i(旧AS/400)の物理テープ運用が限界を迎えた際の解決策となるのが、仮想テープライブラリ(VTL)です。LaserVault ViTLは、IBM iから仮想的なテープドライブやテープライブラリとして利用できるVTLソリューションです。物理テープの運用課題を解決し、効率的なバックアップ環境へ移行できます。ここでは、具体的な移行アプローチと機能について解説します。

既存のバックアップコマンド・BRMSと連携できる仕組み

IBM iの既存バックアップ環境では、SAVLIBSAVSYSBRMSBackup, Recovery and Media Services)などを利用しているケースが多く見られます。LaserVault ViTLは、こうした標準のバックアップコマンドやBRMSとシームレスに連携できます。

そのため、IBM i側のバックアップ運用を一から作り直す必要がありません。テープへの書き込み先を仮想化するというアプローチをとるため、バックアップ方式を大きく変更することなく、物理テープから仮想テープへの移行を検討できます。運用担当者の学習コストを抑えつつ、新しいシステムへスムーズに移行できるのが大きな利点です。

保存先はディスク・NAS・SAN・クラウドまで柔軟に選択可能

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LaserVault ViTLを利用すると、バックアップデータの保存先を柔軟に選択できます。具体的には、Windowsベースのサーバー、NASSAN、クラウドストレージなどを保存先として指定できます。

また、FC(ファイバーチャネル)やSASなどの接続方式に対応しているため、自社のITインフラ環境に応じた最適な構成を検討できます。オンプレミスからクラウドまで、要件に合わせたストレージ戦略を実現できます。

圧縮・重複排除とAES-256暗号化によるデータ保護

データ量の増加に対応するため、LaserVault ViTLでは圧縮に加えて、重複排除にも対応しています。これにより、ストレージ容量の消費を抑え、コスト削減を期待できます。

さらに、セキュリティ面でも安心できる機能を備えています。バックアップデータはAES-256暗号化によって保護できます。万が一のデータ漏えいリスクに備え、機密性の高いビジネスデータを安全に保管できる仕組みが整っています。

物理テープとLaserVault ViTLの違い(比較表)

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物理テープとLaserVault ViTLの違いについて、日々の運用や機能の観点から比較表にまとめました。長年利用されてきた物理テープの仕組みからLaserVault ViTLによる仮想テープへ移行することで、バックアップ環境の管理手法を大きく変えることができます。

比較項目 物理テープ(LTOなど) LaserVault ViTL
テープ交換と媒体管理 担当者による物理的な交換作業や、ラベルの貼付、保管場所への搬送作業が毎回必要です。  仮想テープとして扱うため物理的な交換作業は一切不要になります。データはストレージ上で安全に管理できます。 
IBM i側の運用連携 SAVLIBやSAVSYSなどの標準コマンド、またはBRMS(バックアップ・リカバリーおよびメディア・サービス)を利用して運用します。  既存の標準コマンドやBRMSとそのまま連携できます。IBM i側の運用手順を大きく変更せずに導入できます。
リストア(データ復旧) 保管棚から該当する世代の媒体を探し出し、テープ装置へ手動で装填する手間がかかります。  ネットワーク経由で対象の仮想テープへ即座にアクセスできるため、迅速なデータ復旧を実現できます。
遠隔地保管と災害対策 バックアップを取得した媒体を、物理的に遠隔地へ搬送して保管する必要があります。  バックアップデータをネットワーク経由で別拠点やクラウドストレージへコピーできます。物理搬送に依存しない災害対策を構築できます。
データ容量の効率化 1巻あたりの媒体容量に依存するため、データ量が増加した場合は複数巻のテープが必要です。  データの圧縮機能や重複排除機能を利用できます。限られたストレージ容量を効率的に活用できます。
機器の接続方式 物理テープ装置のインターフェースに依存し、専用の接続環境を維持する必要があります。  FC(ファイバーチャネル)やSASなど、既存のインフラストラクチャに応じた柔軟な接続方式を選択できます。

比較表からわかるように、LaserVault ViTLを導入することで、物理テープの交換や搬送、保管を中心とした手作業の運用から、ディスクやネットワークを中心とした効率的なバックアップ運用へ移行できます。既存のIBM iの資産を活かしながら、運用負荷を大幅に軽減できることが大きな特徴です。

IBM i」は、International Business Machines Corporationの商標または登録商標です。
LaserVault」は、Electronic Storage Corporationの商標または登録商標です。

LaserVault ViTL導入後、IBM iのバックアップ運用はどう変わるか

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LaserVault ViTLを導入することで、IBM iのバックアップ環境は物理媒体に依存する状態から大きく改善されます。具体的にどのような変化が起こるのか、日々の運用業務と災害対策の観点から詳しく解説します。

テープ交換作業から「監視・例外対応」中心の運用へ

毎晩バックアップを取得し、翌朝に担当者がテープを交換している環境であれば、LaserVault ViTLによって物理的なテープ交換作業をなくすことができます。担当者が毎日媒体を扱うのではなく、バックアップジョブの実行状況を監視し、異常が発生した場合のみ対応する運用へ移行できます。

これにより、IT担当者の負担が大幅に軽減されるだけでなく、人為的なミスの防止も期待できます。導入前後の運用の違いを以下の表に整理しました。

運用項目 従来の物理テープ運用 LaserVault ViTL導入後
日々の作業 物理テープの装填と取り出し   システムの稼働監視のみ  
休日・夜間対応 出社や待機が必要な場合がある   自動化されているため不要 
トラブル対応 媒体の劣化や読み取りエラーの調査  システム上のアラートに基づく例外対応 

このように、バックアップ運用が自動化されることで、限られたIT人材を高い生産性が求められる業務へ割り当てることができます。

ネットワーク経由の遠隔地コピーで実現するBCP/DR

バックアップデータをネットワーク経由で別拠点やクラウド環境などへコピーする構成を組み合わせれば、物理媒体の搬送に依存しないBCP/DR対策を構築できます総務省の情報通信白書からも読み取れるように、多くの企業において災害やサイバー攻撃に備えた事業継続計画の策定と見直しが重要視されています。

従来の物理テープでは、バックアップ取得から遠隔地への保管までに時間差が発生し、災害発生時には保管場所から媒体を取り寄せる必要がありました。しかし、LaserVault ViTLを利用したネットワーク経由のコピーであれば、迅速にデータを保護し、有事の際にもスムーズに復旧作業を開始できます。

さらに、IBM i側では従来のバックアップコマンドなどを活用しながらバックアップ基盤を仮想化できるため、既存の環境を活かしながら段階的にバックアップ運用を近代化できます。システム全体の可用性を高めつつ、確実なデータ保護を実現できるのが大きな利点です。

よくある質問(FAQ)

LaserVault ViTLはIBM iの既存バックアップコマンドを変更する必要がありますか?

LaserVault ViTLを導入する際、IBM iの既存バックアップコマンドを変更する必要はありません。SAVLIBSAVSYSといった標準コマンドのほか、BRMSBackup, Recovery and Media Services)ともシームレスに連携できます。そのため、既存の運用手順を大きく変えずに仮想テープへ移行できます

物理テープからLaserVault ViTLへのデータ移行にはどのくらい時間がかかりますか?

物理テープからLaserVault ViTLへのデータ移行にかかる時間は、対象となるデータ容量やネットワーク帯域、サーバーの処理能力によって変動するため一概には言えません。しかし、LaserVault ViTLは高速なディスクへの書き込みを行うため、従来のテープドライブ間のコピーと比較して、バックアップおよびリストアの時間を大幅に短縮できます

LaserVault ViTLはクラウドストレージに対応していますか?

はい、LaserVault ViTLはクラウドストレージに対応しています。バックアップデータの保存先として、オンプレミスのディスクやNAS/SAN環境だけでなく、主要なクラウドサービスを柔軟に選択できます。これにより、物理媒体を搬送することなく、ネットワーク経由で安全に遠隔地保管を実現できます

仮想テープライブラリ(VTL)とはそもそも何ですか?

仮想テープライブラリ(VTL)とは、ハードディスクなどのストレージを、システム側から物理的なテープドライブやテープライブラリとして認識させる技術のことです。IBM iからは従来のテープ装置として見えるため、運用を変えずにディスクバックアップの高速性や信頼性を享受できます。

項目 物理テープ 仮想テープライブラリ(VTL)
媒体の実体 磁気テープ(LTOなど)  ディスクストレージやクラウド 
交換作業 人手による物理的な交換が必要  自動化されており交換不要 
読み書き速度 テープのシーク時間に依存  ランダムアクセスにより高速 

LaserVault ViTLとLaserVault Backupの違いは何ですか?

LaserVault ViTLLaserVault Backupは、どちらもIBM i向けのバックアップソリューションですが、接続方式やエミュレーションの仕組みに違いがあります。環境や目的に合わせて適切なソリューションを選択できます。

製品名 主な特徴と接続方式 適した用途
LaserVault ViTL  FCやSASで接続し、物理テープライブラリを完全にエミュレート  BRMSを利用した高度な自動運用や大規模環境  
LaserVault Backup  TCP/IP経由で接続し、仮想テープとして動作   標準コマンドを利用したシンプルでコストを抑えた運用 

IBM i」「BRMS」は、International Business Machines Corporationの米国およびその他の国における商標または登録商標です。
LaserVault」は、Electronic Storage Corporationの登録商標です。

まとめ|IBM iのバックアップも「運用」から見直す

IBM iの物理テープ運用は、メディアの交換や搬送による人的負荷、バックアップ時間の増加、BCP対策の難しさといった限界を抱えています。これらの課題を解決するには、バックアップ環境を「運用」の視点から見直すことが不可欠です。

LaserVault ViTLを導入すれば、既存のBRMSやコマンドを変えずに、保存先をディスクやクラウドへ移行できます。日々のテープ交換作業から解放されるだけでなく、遠隔地へのデータ転送により強固な災害対策も実現可能です。テープ運用に限界を感じたら、安全性と効率性を両立する仮想テープ運用への移行をご検討ください。


この記事の執筆・監修者
三和コムテック株式会社
IBM i マーケティングチーム三和コムテックは、お客様の「必要」をいち早く察知し、先取りする“新市場創出型”のITテクノロジー企業です。
DXやRPA、IBMi、セキュリティなど多彩な領域でソフトウェア開発・導入支援・コンサルティングを行い、
技術と発想の力で企業の課題解決と新たな価値創造を支援しています。
ブログでは、現場で培った知見をもとに、ビジネスを前進させる最新ソリューションやテクノロジー情報を発信します。

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