近年、日本国内でもランサムウェア被害が増加し、企業の事業継続を脅かす深刻な問題となっています。
「IBM i は堅牢だから大丈夫」という認識はもはや通用しません。VPNやリモートアクセスなど外部接続の増加により、IBM i も攻撃対象となるリスクが確実に高まっています。
この記事からわかること
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この記事を読むことで、IBM i のランサムウェアリスクを正しく理解し、セキュリティ責任者として “まず何をすべきか” を明確に把握できます。また、IBM i で被害を最小化するための実践的な対策や、IFS暗号化を防ぐために役立つツールの特徴が分かり、自社のIBM i環境をどのように守るべきか判断できるようになります。
IBM iも対象外ではない?増加するランサムウェアの被害

日本国内では被害報告が過去最多水準に
警察庁「令和7年上半期のサイバー脅威情勢」によると、ランサムウェア被害報告件数は116件と、令和4年下半期と並び最多を記録。特に注目すべきは感染経路で、VPN機器・リモートデスクトップ(RDP)が全体の約半数以上を占めると報告されています。攻撃者は企業ネットワークの外周部を突破し、そこから内部システムへ侵入するケースが増加。その影響として、ほとんどの企業が 「全業務停止」または「一部業務に支障」 という重大な被害を受けています。
※参照:令和7年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について
IBM iは安全という“神話”はもう古い
IBM i は強固なアーキテクチャを持つことで知られていますが、以下の理由でランサムウェア被害のリスクは年々高まっています。
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つまり、外部端末が侵害されれば、そのままIBM iのIFSに被害が波及するという構図が成立しています。“IBM iは安全”という過去の常識に依存し続けることは、極めて危険です。
ランサムウェア感染時に企業が取るべき初動対応(日本政府が推奨)

政府広報では、ランサムウェアに感染した際の行動として次のポイントを明示しています。これはIBM i環境を含むすべての企業システムに共通する必須プロセスです。
感染端末をネットワークから即時隔離
ランサムウェアは、ネットワーク上に接続されている他の端末にも感染を広げます。
- 有線LAN → ケーブルを抜く
- Wi-Fi → 機内モードにする/Wi-Fiルータの電源を切る
感染端末から横展開されるのを防ぐため、“切り離しが最優先”です。
電源を切らずに保持
感染した端末内に復元に必要な情報が残っていることがあります。感染した端末の電源は切らずに保持します。
組織全体で感染状況を確認
ランサムウェアは、他の端末に感染を広げます。そのため、組織全体で状況を把握することが必要です。
警察への相談・通報
サイバー犯罪の実態を明らかにし、被害を拡大させないため、被害に遭ったら自社を管轄する警察署又は警察庁ウェブサイトのサイバー事案に関する通報等のオンライン受付窓口に相談・通報します。警察に相談・通報することで、ランサムウェア対策について助言を得ることもできます。
参照:「ランサムウェア、あなたの会社も標的に?被害を防ぐためにやるべきこと」
SAVi Anti-Ransomwareでランサムウェア感染拡大防止!

感染拡大を即時遮断するIBM i専用ソリューション
前項でランサムウェアに感染した際は、ネットワークから隔離することが必要と述べました。
『SAVi Anti-Ransomware 』は、IBM i の IFS(統合ファイルシステム)をリアルタイム監視し、
ランサムウェア特有の不審なファイル操作を検知すると…
→ 感染端末からのIFSアクセスを自動でブロック!
→ IBM i全体への被害拡大を防止!
IBM i システムの動作を止めることなく“攻撃元だけ”を遮断できる点が大きな特徴です。
被害調査に必須のログも自動記録
ランサムウェア検知時には、
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といった情報を詳細に記録。
感染源の特定や事後対策にも大きく役立ちます。

IBM i上で稼働し追加サーバー不要
『SAVi Anti-Ransomware』 はIBM i単体で動作するため、
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と、運用面・コスト面の両方でメリットがあります。
まとめ:IBM iのランサムウェア対策は“今すぐ”が正解
日本国内でランサムウェア被害が急増する現在、IBM iも安全地帯ではありません。外部端末を経由したIFSの暗号化攻撃は拡大し続けています。その被害を防ぎ、運用を継続するためには、感染拡大を瞬時に止める仕組みを持つことが最重要です。
被害に遭う前にIBM iのランサムウェア対策を実施しましょう!
DXやRPA、IBMi、セキュリティなど多彩な領域でソフトウェア開発・導入支援・コンサルティングを行い、
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