IBM iクラウド移行とは?人材不足・運用課題を解決する進め方と選択肢

IBM i環境では、人材不足や運用の属人化、ハードウェア更改コストの増加を背景に、クラウド移行を検討する企業が増えています。一方で、「何から始めればよいのか」「どの選択肢が自社に合うのか」が分かりにくいのも実情です。この記事では、IBM iクラウド移行の背景、代表的な選択肢、進め方の考え方を整理し、全体像を分かりやすく解説します。

この記事からわかること

  • IBM iで顕在化している人材不足・運用課題
  • なぜ今、IBM iのクラウド移行が検討されているのか
  • Power Virtual Serverの特徴と活用メリット
  • IBM i移行を効率化する方法とツール
  • クラウド移行を成功させるためのポイント

本記事では、IBM iを取り巻く現状と課題、そしてクラウド移行という選択肢について分かりやすく解説します。

IBM iが抱える課題|人材不足と属人化のリスク

IBM iが抱える課題|人材不足と属人化のリスク

IBM i環境において、現在特に大きな課題とされているのが人材不足と運用の属人化です。多くのIBM iシステムは、RPGやCOBOLといった言語で構築されており、長年の運用を通じて特定の担当者にノウハウが集中しているケースが少なくありません。

その結果、以下のようなリスクが生じます。

  • 担当者の退職・異動によるブラックボックス化
  • 技術継承の難航
  • 障害対応の遅延
  • 運用コストの増大

さらに、日本全体でもIT人材不足が深刻化しており、2030年には最大約80万人不足する可能性が指摘されています。専門性の高いIBM i環境は、その影響を受けやすい領域と言えるでしょう。

IBM i SCTソリューションブック

なぜ今、IBM iのクラウド移行が進んでいるのか

なぜ今、IBM iのクラウド移行が進んでいるのか

IBM iのクラウド移行が検討される背景には、複数の要因があります。

1. ハードウェア更改のタイミング

IBM iは従来、IBM Power Systems上で稼働するため、定期的なサーバー更改が必要です。

このタイミングで企業は以下の選択を迫られます。

  • オンプレミスを継続するか
  • クラウドへ移行するか

近年では、初期投資を抑えつつ柔軟な運用が可能なクラウドが選択肢として浮上しています。

2. 運用負荷の軽減ニーズ

オンプレミス環境では、以下のような負担が発生します。

  • ハードウェア管理
  • 障害対応
  • バックアップ・DR対応
  • セキュリティ対策

クラウド活用により、これらの負担を軽減できる点が評価されています。

3. BCP・災害対策の重要性

近年は自然災害やサイバーリスクの増加により、事業継続計画(BCP)の重要性が高まっています。

クラウドを活用することで、

  • 遠隔地バックアップ
  • DRサイト構築
  • 可用性向上

といった対策が現実的に実現可能になります。

IBM iのデータ移行方法を比較したい方はこちら
移行を効率化するツールを確認したい方はこちら

IBM i対応クラウド「IBM Power Virtual Server」とは

IBM i対応クラウド「IBM Power Virtual Server」とは

IBM iのクラウド活用を支える代表的なサービスがIBM Power Virtual Server です。

特徴

  • IBM Cloud上でPower Systems環境を提供
  • IBM i / AIXをそのまま稼働可能
  • 既存ワークロードを大きく変更せず移行できる

主なメリット

  • リフト&シフトが可能
    既存環境を大きく変更せず、そのままクラウドへ移行できます。
  • ハイブリッド構成に対応
    オンプレミスとクラウドを組み合わせた柔軟な構成が可能です。
  • DR・検証環境として活用
    「災害対策環境」・「テスト・開発環境」としての利用も増えています。

IBM iクラウド移行の課題|なぜ進まないのか

一方で、IBM iのクラウド移行には以下のような不安もあります。

  • 移行にどれくらい時間がかかるのか
  • システム停止は必要か
  • データ移行の負担
  • 手順の複雑さ

特に基幹システムの場合、業務影響が大きいため慎重になりやすいのが特徴です。

移行を効率化する「Quick i Migration」

移行を効率化する「Quick i Migration」

こうした課題に対応する手段として注目されているのが、Quick i Migration です。

Quick i Migrationとは

Quick i Migrationは、IBM i環境のデータやシステムを新しい環境へ移行する際の作業を効率化するためのツールです。オンプレミス環境からクラウド環境への移行や、Power Systemsのハードウェア更改に伴う環境移行など、インフラ更新時の移行作業をスムーズに進めることを目的としています。

導入メリット

導入メリット

一般的にIBM i環境の移行では、データコピーや設定作業、移行手順の確認、テスト作業など、複数の工程が必要になります。これらを手作業で行う場合、作業時間が長くなるだけでなく、手順ミスや作業漏れといったリスクが発生する可能性があります。
Quick i Migrationを活用することで、こうした移行作業を効率化し、移行プロセスを整理しながら作業を進めることができます。その結果、作業時間の短縮や運用担当者の負担軽減につながります。

IBM iクラウド移行は「守り」ではなく「攻め」のIT戦略

IBM iのクラウド移行は単なるインフラ変更ではありません。
以下のような価値をもたらすIT基盤の再設計です。

  • 人材依存からの脱却
  • 運用効率の向上
  • BCP強化
  • IT投資の最適化

まとめ|IBM iの将来を見据えた最適な選択を

IBM i環境は今後も重要な基幹システムであり続けます。
しかし、人材不足や運用課題への対応は避けて通れません。

その解決策の一つとして、
・クラウド活用(Power Virtual Server)
・移行効率化ツール(Quick i Migration)

を組み合わせた戦略的な取り組みが重要です。
今後の運用体制や事業継続を見据え、自社に最適なIBM i活用の形を検討してみてはいかがでしょうか。

Quick i Migration

この記事の執筆・監修者
三和コムテック株式会社
IBM i プロダクト事業部三和コムテックは、お客様の「必要」をいち早く察知し、先取りする“新市場創出型”のITテクノロジー企業です。
DXやRPA、IBMi、セキュリティなど多彩な領域でソフトウェア開発・導入支援・コンサルティングを行い、
技術と発想の力で企業の課題解決と新たな価値創造を支援しています。
ブログでは、現場で培った知見をもとに、ビジネスを前進させる最新ソリューションやテクノロジー情報を発信します。

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