IBM iのデータをリアルタイム活用するには?Connect CDCで実現するデータ連携の新常識

 三和コムテック株式会社

「データはあるのに、現場で使われていない」——IBM i を運用する多くの企業が、このジレンマを抱えています。BI ツールや API 連携を導入しても、肝心のデータが「昨日時点」「昨週末時点」の情報では、意思決定の速度に追いつけません。その根本原因は、従来のバッチ処理が持つ構造的な時間ラグにあります。本記事では、変更データキャプチャ(CDC)の考え方と、IBM i 環境でリアルタイムデータ連携を実現する Connect CDC の仕組み・活用メリットを、具体的な業務シーンを交えて解説します。

対象読者

  • IBMiのデータ連携に悩む情報システム部門の方
  • リアルタイムなデータ活用を目指すDX推進担当者

課題

  • バッチ処理のタイムラグで最新データが見られない
  • 既存システムへの運用負荷を最小限に抑えたい

この記事からわかること

  • IBM iでデータ活用が進まない根本的な理由
  • CDCの仕組みとバッチ処理との明確な違い
  • Connect CDCによるリアルタイム連携の実現方法

IBM i環境でデータ活用が進まない本当の理由

IBM i環境でデータ活用が進まない本当の理由について、システム構造や運用面から紐解いていきます。日本アイ・ビー・エム株式会社が提供するIBM i(旧AS/400)は、堅牢性や信頼性の高さから、現在でも多くの企業で基幹システムとして稼働しています。しかし、基幹システム内に貴重な業務データが大量に保存されているにもかかわらず、経営戦略やマーケティングに十分活かせていない企業が少なくありません。ここからは、その具体的な背景を3つの視点から詳しく解説します。

データは蓄積されているのに「使われない」のはなぜか

データは蓄積されているのに「使われない」のはなぜか、その最大の要因はシステムがサイロ化(孤立化)しているためです。長年にわたって運用されてきたIBM iの環境では、データが特定の業務プロセスやアプリケーションに強く結びついており、外部のシステムから容易にアクセスできない状態になっています。

また、経済産業省のDXレポートでも指摘されているように、既存システムがブラックボックス化していることで、データの抽出や連携に多大なコストと時間がかかることが課題となっています。データを取り出すためだけに専用のプログラム開発が必要になることが、現場のデータ活用を妨げる大きな障壁となっているのが現状です。

バッチ処理が引き起こすデータ鮮度の問題

バッチ処理が引き起こすデータ鮮度の問題も、データ活用を阻害する重要な要因です。IBM i環境から外部のBI(ビジネスインテリジェンス)ツールやDWH(データウェアハウス)へデータを転送する際、多くの企業では夜間に一括でデータを送るバッチ処理を採用しています。

この運用方法では、業務時間中に参照できるデータは常に前日以前のものとなってしまいます。市場の変化が激しい現代において、過去のデータに基づいた判断しかできないことは、企業の競争力を低下させる致命的な弱点になり得ます。バッチ処理によるタイムラグが引き起こす具体的な課題を以下の表に整理します。

業務部門 バッチ処理による現場の課題 ビジネスへの悪影響
営業部門 最新の在庫状況がシステムから
わからない
 欠品による販売機会の損失や顧客満足度の低下 
製造部門 当日の生産進捗や部品の消費量が
把握できない
 過剰在庫の発生や生産計画の遅延 
経営層 リアルタイムな売上実績や
予実管理ができない
 市場の変化に対する意思決定スピードの遅れ 

このように、データ鮮度が低い状態では、各部門が迅速かつ正確なアクションを起こすことが困難になります。

部門間でデータ定義がバラバラになるIBM i特有の課題

部門間でデータ定義がバラバラになるIBM i特有の課題も、全社的なデータ活用を難しくしています。IBM iの環境では、RPG(Report Program Generator)などの言語を用いて、各部門の業務要件に合わせた個別最適化されたプログラムが長年にわたり追加・改修されてきました。

その結果、同じ「売上金額」や「顧客情報」というデータであっても、部門ごとに計算ロジックや一意の識別子の持たせ方が異なるケースが頻発しています。全社でデータを統合して分析しようとしても、まずは部門間で異なるデータ定義を統一し、データのクレンジング(整形)を行うという膨大な前準備が必要になります。この作業負荷の高さから、結果としてデータ活用プロジェクトが頓挫してしまう企業が多いのが実情です。

データ活用を成立させる2つの条件

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データ活用を成立させる2つの条件について解説します。企業内に蓄積されたデータを真の価値に変えるためには、単にシステムを導入するだけでは不十分です。データを活用する現場の目的に沿った構造と、必要なタイミングで情報を取得できる鮮度の両立が求められます。ここでは、データ活用を成功に導くための具体的な条件を詳しく見ていきます。

条件1:「使われる前提」で設計されたデータ構造

条件1:「使われる前提」で設計されたデータ構造について説明します。基幹システムから抽出したデータをそのまま蓄積しても、現場のユーザーが簡単に分析できるわけではありません。データを活用するためには、あらかじめ分析やレポート作成を想定した構造に整理しておく必要があります。

業務システムと分析システムのデータ構造の違い

基幹システムなどの業務システムは、日々の取引を正確かつ高速に処理するために設計されています。そのため、データは重複を避けるために細かく分割されています。一方で、データを分析する際には、複数の情報を一覧で確認できる構造が適しています。以下の表は、業務システムと分析システムにおけるデータ構造の違いを整理したものです。

比較項目 業務システムのデータ 分析システムのデータ

主な目的

日々の取引の正確な記録と処理

データの集計と多角的な分析
データ構造の特徴 重複を排除するために細かく分割されている  分析しやすいように複数のデータが統合されている 
データ活用のしやすさ 分析時にデータを結合する手間がかかる  直感的にわかりやすく迅速に分析できる 

分析に適した形へのデータ加工

現場のユーザーがデータを活用するためには、細かく分割されたデータを結合し、意味のある情報に再構成するプロセスが不可欠です。例えば、売上データと顧客データをあらかじめ統合しておくことで、DWH(データウェアハウス)やBI(ビジネスインテリジェンス)ツール上でスムーズに分析できます。このように、ユーザーが迷わず直感的に操作できるデータ構造を用意することが、データ活用を定着させる第一の条件です。

条件2:業務タイミングに合った「データ鮮度」の確保

条件2:業務タイミングに合った「データ鮮度」の確保について説明します。どれほど分析しやすいデータ構造が用意されていても、その情報が古ければビジネスの意思決定には役立ちません。業務の目的に応じて、適切なタイミングで最新のデータを取得できる状態を維持することが重要です。

データ鮮度が意思決定に与える影響

現代のビジネス環境では、市場の変化や顧客のニーズに迅速に対応することが求められます。総務省の令和2年版情報通信白書においても、デジタルデータの活用が企業の競争力を左右する重要な要素として指摘されています。例えば、在庫管理や生産計画の調整において、前日のデータから判断するのと、数分前の最新データから判断するのとでは、対応のスピードと正確性に大きな差が生じます。

リアルタイム性が求められる業務領域

すべてのデータにリアルタイム性が求められるわけではありませんが、特定の業務領域では高いデータ鮮度が不可欠です。ECサイトの在庫引き当てや、製造業におけるサプライチェーンの状況把握などは、常に最新の状況を把握することで機会損失を防ぐことができます。業務のタイミングに合わせた最適なデータ鮮度を確保することが、データ活用を成立させる第二の条件です。

このように、使われる前提で設計されたデータ構造と、業務タイミングに合ったデータ鮮度の確保を両立することで、初めてデータは企業の成長を支える強力な資産として機能します。

変更データキャプチャ(CDC)とは?バッチ処理との違いを解説

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変更データキャプチャ(CDC)とは?バッチ処理との違いを解説というテーマについて、まずはデータ連携における基本的な概念から整理していきましょう。企業が保有するデータ量は日々増加しており、それをいかに効率よく活用できるかがビジネスの成果を左右する選択肢となっているのが理由です。ここでは、CDC(変更データキャプチャ)の仕組みと、従来のバッチ処理からどのように進化しているのかをわかりやすく説明していきます。

CDCの基本的な仕組み:変更が起きたタイミングでデータを連携する

CDCの基本的な仕組み:変更が起きたタイミングでデータを連携するという特徴について見ていきます。CDC(変更データキャプチャ)とは、データベース内で追加、更新、削除といったデータの変更が発生した瞬間に、その差分データだけを抽出してターゲットのシステムへ連携する技術のことです。全件データを毎回読み込む手法とは異なり、変更された部分のみを処理するため、ネットワークやシステムへの負荷を最小限に抑えながらリアルタイムに近いデータ連携を実現できます

この仕組みを利用することで、基幹システムからDWH(データウェアハウス)やBI(ビジネスインテリジェンス)ツールへ、常に最新のデータを供給できます。経営層や現場の担当者は、最新の情報を基にした迅速な意思決定を行うことができます。

バッチ処理 vs CDC:タイムラグと運用負荷の比較

バッチ処理 vs CDC:タイムラグと運用負荷の比較を行うことで、両者の違いがさらに明確にわかるようになります。これまで多くの企業で採用されてきたバッチ処理は、日次や週次といった決められたスケジュールに従って、一定期間のデータをまとめて処理する方式です。大量のデータを一括で処理できる利点がある一方で、データが反映されるまでに数時間から数日のタイムラグが発生してしまうという課題があります。

以下の表で、バッチ処理とCDCの主な違いを整理しました。

比較項目 バッチ処理  CDC(変更データキャプチャ) 
データ反映のタイミング スケジュールに応じた一括処理(日時、週次など)  変更が発生したタイミングで即時反映 
タイムラグ(データ鮮度) 数時間から数日の遅れが発生  数秒から数分のリアルタイム性を確保 
システムへの負荷 処理実行時に一時的な高負荷が発生  差分のみを処理するため負荷が分散され低い 
ネットワーク帯域の消費 大量データを一括転送するため消費が大きい   変更分のみを転送するため消費が少ない 

このように比較すると、CDCを導入することで、タイムラグを解消しつつ運用負荷も軽減できます。バッチ処理の実行時間を気にする必要がなくなるだけでなく、夜間バッチの突き抜けといった運用上のリスクも回避できます。

IBM iでCDCを活用するメリット:ジャーナルを活かした既存業務への影響ゼロ

IBM iでCDCを活用するメリット:ジャーナルを活かした既存業務への影響ゼロという点について解説します。IBM i(旧AS/400)環境においてデータ連携を行う際、既存の基幹業務システムに負荷をかけないことは非常に重要です。IBM iには、OSの標準機能としてデータベースの変更履歴を記録するジャーナル機能が備わっています。

CDCツールは、このジャーナルから直接変更データを読み取る仕組みを採用しています。データベース本体に直接アクセスして検索クエリを発行するわけではないため、稼働中の基幹業務システムに対するパフォーマンスの低下や影響を実質的にゼロに抑えることができます。また、ジャーナルには各レコードの一意の識別子とともに変更内容が正確に記録されているため、データの欠損や重複を防ぎながら安全にデータを連携できます。

既存のプログラムを改修することなく、ジャーナル機能とCDCを組み合わせることで、IBM iに蓄積された貴重な業務データをクラウド環境やオープン系のシステムへシームレスに連携できます。これにより、レガシーシステムと最新のデータ活用基盤を安全に統合し、企業のデジタルトランスフォーメーションを強力に推進できます。

※「IBM i」および「AS/400」はInternational Business Machines Corporationの米国およびその他の国における商標または登録商標です。

Connect CDCとは?IBM iに特化したリアルタイムデータ連携ツール

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Connect CDCとは、IBM iに特化したリアルタイムデータ連携ツールです。日本アイ・ビー・エム株式会社が提供するサーバー環境において、基幹システムに蓄積された重要なデータを、他のオープンシステムやクラウド環境へリアルタイムに連携できます。従来のバッチ処理で課題となっていたタイムラグを解消できるだけでなく、システムへの負荷を最小限に抑えながらデータ転送を実行できます。

Connect CDCの主な機能と特徴

Connect CDCの主な機能と特徴は、IBM iのジャーナル(更新履歴)を活用して変更データのみを抽出できる点にあります。この仕組みによって、基幹システムのパフォーマンスを低下させることなくデータを連携できます。主な機能は以下の表のとおりです。

 機能名   詳細な特徴 
 リアルタイム差分抽出機能   データベースから変更されたデータのみを瞬時にキャプチャし、連携先へ転送できます。 
 異機種データベース連携機能   IBM iからWindowsやLinuxなどの異なるプラットフォームへ、データをシームレスに同期できます。 
 データ変換・マッピング機能 

転送先のシステムに合わせて、データのフォーマットや文字コードを自動的に変換できます。

これらの機能によって、専門的なプログラミング知識がなくても、直感的な操作でデータ連携の仕組みを構築できます。

具体的な活用シーン:売上・在庫データのリアルタイム可視化

具体的な活用シーンとして、売上・在庫データのリアルタイム可視化が挙げられます。小売業や製造業では、全国の店舗や工場から送られてくるトランザクションデータをIBM iで処理しています。Connect CDCを利用すれば、これらのデータをBI(ビジネスインテリジェンス)ツールやクラウド上のDWH(データウェアハウス)へ即座に連携できます。

たとえば、ECサイトと実店舗の在庫データを統合管理する場合、在庫の引き当て状況をリアルタイムに把握できます。その結果、欠品による販売機会の損失を防ぐだけでなく、過剰在庫のリスクを低減できます。常に最新のデータから状況を把握できるため、現場の担当者は自信を持って業務を遂行できます。

導入によって何が変わるか:意思決定スピードの向上事例

Connect CDCの導入によって何が変わるかといえば、経営層や現場の意思決定スピードの向上事例が数多く報告されています。前日の夜間バッチ処理が終わるまで待つ必要がなくなり、今現在のビジネス状況に基づいた迅速な判断を下すことができます。経済産業省のデジタルトランスフォーメーションに関する施策でも言及されているように、企業が競争力を維持するためには、データをリアルタイムに活用できる環境の構築が不可欠です。

ある製造業の事例では、生産ラインの稼働状況や部品の消費データをリアルタイムで分析基盤へ連携することで、トラブルの予兆を早期に検知できるようになりました。このように、Connect CDCを活用してデータ鮮度を高く保つことは、変化の激しい市場環境において企業が迅速なアクションを起こすための強力な武器となります

※「IBM i」はInternational Business Machines Corporationの登録商標または商標です。
※「Connect CDC」はPreciselyの登録商標または商標です。

Connect CDC導入の流れと確認ポイント

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Connect CDC導入の流れと確認ポイントについて、具体的な手順と事前準備の重要性を解説します。IBM iのデータ連携をスムーズに進めるためには、自社の環境を正確に把握し、適切な計画を立てることが不可欠です。導入プロセスを段階的に進めることで、既存の業務への影響を最小限に抑えつつ、リアルタイムなデータ活用環境を構築できます

導入の基本的な流れは、以下の表のように整理できます。

ステップ 実施項目  具体的な作業内容 
 1. 現状分析と要件定義   自社環境の確認と目標設定   IBM iのOSバージョンやジャーナル取得状況の確認、連携対象データの選定 
 2. 構成設計   システム間連携の設計   連携先システム(BI・DWH・クラウド)の決定と、ネットワーク経路の設計 
 3. 導入とテスト   ツールのインストールと検証   テスト環境でのConnect CDCの導入、データ同期の正確性とパフォーマンスの検証 
 4. 本番移行と運用開始   本番環境への適用   本番環境での稼働開始、監視体制の構築とエラー発生時の対応フロー策定 

導入前に確認すべき自社のデータ環境

導入前に確認すべき自社のデータ環境について、特に注意すべきポイントを説明します。IBM iは堅牢なシステムですが、長年の運用によってデータ構造が複雑化しているケースが少なくありません。そのため、連携対象となるデータがどのような状態で保存されているかを事前に正確に把握することが成功の鍵となります

まず、IBM iのOSバージョンやハードウェアのスペックが、Connect CDCの動作要件を満たしているかを確認します。次に、変更データキャプチャ(CDC)の仕組みを利用するためには、IBM iのジャーナル機能が有効になっている必要があります。ジャーナルが取得されていないファイルがある場合は、新たに設定を追加する対応が求められます。

また、データ連携の対象となるファイルに一意の識別子が設定されているかどうかも重要な確認事項です。一意の識別子が存在しない場合、連携先システムでのデータ更新や削除が正しく反映されない可能性があります。さらに、ネットワークの帯域幅についても評価が必要です。リアルタイムでデータを転送するため、既存の業務通信を圧迫しないよう、十分なネットワーク容量を確保できるか確認します。

企業がデータ活用を推進するにあたっては、自社のITインフラの現状を正確に評価することが求められます。経済産業省のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進に関するガイドラインなどからも、レガシーシステムにおけるデータ連携の重要性が指摘されていることがわかります。

連携先システム(BI・DWH・クラウド)との組み合わせ方

連携先システム(BI・DWH・クラウド)との組み合わせ方について、目的や用途に応じた最適な選択肢を解説します。Connect CDCは多様なプラットフォームへのデータ転送に対応しており、自社のビジネス目標に合わせて柔軟にデータ活用基盤を構築できます

BI(ビジネスインテリジェンス)ツールとの連携

経営層や現場の担当者が売上データや在庫状況をリアルタイムで可視化したい場合、BIツールへの直接連携が有効です。IBM iから変更されたデータだけが即座にBIツール側のデータベースに反映されるため、常に最新の情報を基にした意思決定を支援できます。

DWH(データウェアハウス)との連携

全社的なデータ分析基盤を構築する場合、DWHへのデータ統合が適しています。IBM iの基幹データだけでなく、他の業務システムのデータもDWHに集約することで、部門横断的な複合分析を実施できます。大量の履歴データを蓄積し、長期的なトレンド分析や需要予測に活用できます。

クラウドサービスとの連携

近年では、クラウド上のデータ基盤を活用する企業が増加しています。Connect CDCを利用することで、オンプレミスのIBM iからクラウド環境へ安全かつ低遅延でデータを転送できます。クラウドの拡張性を活かし、データ量の増加にも柔軟に対応できる環境を整備できます。

このように、連携先システムの特徴を理解し、自社の要件に最適な組み合わせを選択することが重要です。適切なシステム間連携を実現することで、IBM iに蓄積された貴重なデータ資産を最大限に活用できるようになります。

※「IBM i」は、International Business Machines Corporationの商標または登録商標です。
※「Connect CDC」は、Preciselyの商標または登録商標です。

よくある質問(FAQ)

Connect CDCとはどのようなツールですか?

Connect CDCは、データベースの変更データをリアルタイムで抽出および配信できるデータ連携ツールです。日本アイ・ビー・エム株式会社が提供するサーバー環境において、基幹システムのデータをクラウド環境や分析基盤へ迅速に連携できます。既存のアプリケーションに改修を加えることなく導入できるため、開発の手間が省けるだけでなく、スムーズなデータ活用基盤の構築を実現できます。

IBM iのジャーナルとCDCはどう関係しますか?

IBM iのジャーナルとCDCはどう関係しますか、という点について説明します。日本アイ・ビー・エム株式会社のシステムには、データベースの変更履歴を記録するジャーナル機能が標準で備わっています。CDC(変更データキャプチャ)はこのジャーナル機能から直接データを読み取って連携できます。そのため、データベースに直接負荷をかけることなく、変更された差分データのみを効率的に抽出できる仕組みとなっています。

バッチ処理からCDCに切り替える際のリスクはありますか?

バッチ処理からCDCに切り替える際のリスクはありますか、という懸念について解説します。新しい連携ツールを導入する際は、データの整合性や運用体制の変化が検討の選択肢となっているのが理由です。そのため、事前の検証環境でのテストや、段階的な移行計画を立てることでリスクを最小限に抑えることができます。以下の表は、バッチ処理とCDCの違いを整理したものです。

 比較項目   バッチ処理   CDC(変更データキャプチャ) 
 データ鮮度   夜間や週末など決められた間隔で更新   変更発生時にリアルタイムで更新 
 システム負荷   処理実行時に一時的な高負荷が発生   常に少量のデータを転送するため負荷が分散 
 障害時の影響   大量のデータ再処理が必要   停止した時点から再開できる 

Connect CDCはどのようなシステムと連携できますか?

Connect CDCはどのようなシステムと連携できますか、という質問にお答えします。オンプレミス環境のデータベースから、クラウド上のデータウェアハウスまで、幅広いシステムと連携できます。たとえば、各種リレーショナルデータベースや、主要なクラウドプラットフォーム上の分析ツールに対して、遅延なくデータを転送できます。これにより、企業全体での迅速な意思決定を支援できます。

既存のIBM i業務への影響はありますか?

既存のIBM i業務への影響はありますか、という疑問について説明します。前述のとおり、ジャーナル機能から変更データを取得するため、基幹業務のパフォーマンスを低下させることなくデータ連携を実行できるのが大きな特徴です。日中のオンライン業務や夜間のバッチ処理に対しても、影響を極小化しながら安全に運用できます。

※「IBM i」はInternational Business Machines Corporationの商標または登録商標です。
※「Connect CDC」はPreciselyの商標または登録商標です。

まとめ

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本記事では、IBM iにおけるデータ連携の課題と、リアルタイムなデータ活用の実現方法について解説しました。データが蓄積されていても現場で活用されない最大の理由は、バッチ処理によるデータ鮮度の低下にあります。

この課題を解決するためには、変更データキャプチャ(CDC)の導入が有効です。「Connect CDC」を活用すれば、IBM iのジャーナル機能を活かし、既存業務のパフォーマンスに影響を与えることなくリアルタイムなデータ連携を実現できます。

これにより、常に最新のデータをBIツールなどで可視化でき、企業の迅速な意思決定が可能となります。自社の環境に合わせた最適なデータ連携基盤の構築を、ぜひご検討ください。

IBM i SCTソリューションブック

この記事の執筆・監修者
三和コムテック株式会社
IBM i プロダクト事業部三和コムテックは、お客様の「必要」をいち早く察知し、先取りする“新市場創出型”のITテクノロジー企業です。
DXやRPA、IBMi、セキュリティなど多彩な領域でソフトウェア開発・導入支援・コンサルティングを行い、
技術と発想の力で企業の課題解決と新たな価値創造を支援しています。
ブログでは、現場で培った知見をもとに、ビジネスを前進させる最新ソリューションやテクノロジー情報を発信します。

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