RPAで業務効率化を実現! RPA化できる業務の種類と導入のステップ

 2024.02.07  三和コムテック

多くの企業が、業務効率や生産性を向上させたいという希望を持っています。これを叶える効果的な方法に、RPAを活用したさまざまな業務の自動化があります。そこで本記事では、RPAを導入して自動化できる業務の種類や、具体的な導入手順などについて解説します。

業務効率化を実現する「RPA化」とは

RPAとは「Robotic Process Automation」の略であり、コンピューター上で実行するさまざまな処理を自動化する取り組みを指します。RPAツールを導入することで、単純作業やルーチン業務の自動化が可能です。

とはいえ、あらゆる業務を自動化できるわけではありません。基本的には、定められたルールや手順にしたがって行われる業務の自動化に適しています。反対に、ルールが頻繁に変更される、複雑すぎる、人の判断が必要とされるような業務の自動化には適していません。

RPA導入で自動化できる業務の種類

RPAを導入することにより、以下で解説する多様な業務を自動化できます。

顧客情報の登録業務

RPAを導入すると、複数システムへの顧客情報登録を自動化できます。取得した顧客情報を、CRMや名刺管理ソフトなどへ個別に入力するのは、大変手間のかかる作業です。しかも、システムごとにログインして入力作業を繰り返すことになり、入力ミスや入力漏れの発生リスクは避けられません。

しかし、この作業をRPA化すれば、入力をするのは1回のみで、あとはロボットが自動的に複数システムへ情報を登録してくれるようになります。これにより、手作業で入力する手間の大幅削減に加え、入力時のミスや漏れといったヒューマンエラーの低減も実現できます。

また、紙書類で保管されている顧客情報を画像化し、文字データに変換してデジタル化できる「OCRシステム」を活用している場合にも、RPAとの組み合わせが効果的です。文書のテキスト情報を読み取ってデータ化したものは、RPAで処理できます。たとえば、名刺をスキャンして名刺管理ソフトへ反映したり、読み取った帳票をRPAで処理したりすることによって、登録業務の効率化が可能です。

問い合わせへの対応・社内共有業務

RPAによって、問い合わせ対応の自動化が可能です。自動返信の対象となるメールが送られてきた際に、RPAが自動で返信してくれるため、従業員の手間を軽減できます。また、クレーム対応やメール対応の内容を業務管理システムへ転記したり、内容に応じて各部門へ通知したりもできるので、よりスムーズな情報共有が実現します。

メールやフォームによる問い合わせに対し、個別で対応するのは手間と時間がかかる作業です。RPAを活用することで、メールを開封して内容を確認したうえで、返信の打ち込みや送信を行う必要がなくなり、毎日数多くの問い合わせが寄せられる企業にとって、大きな時短効果が見込めます。

請求書発行業務

RPAを活用すれば請求書の発行や処理を自動化できます。規模の大きな企業ともなれば、毎月発行する請求書の数も膨大になり、人の手でさばくと多大な負荷がかかります。Excelから取得した請求情報を個別に集計処理し、請求書を印刷するまでの一連の流れを自動化することで、より重要な業務に、より多くの時間をかけられるはずです。

また、受理した請求書のテキスト情報をスキャンして、会計システムや総勘定元帳へ転記することも可能です。請求書の発行や受理に関する業務をRPA化すれば、入力ミスや漏れを回避でき、業務効率化につながります。

交通費確認業務

交通費の清算業務を自動化することにより、チェック業務を簡略化できます。交通費の清算では、まず出張する従業員が日付、訪問先、利用する交通機関、経路、運賃を申請書に記入し、上司がそれを承認したあと経理に回します。申請書を受理した経理担当者は、申請内容に問題がないことを確認したうえで承認し、何か問題があれば差し戻さなければなりません。担当者は、最適な経路や最安の運賃を調べたうえで、申請書にミスや漏れがないことをチェックしなければならず、大きな負担を強いられてきました。

この作業を自動化すれば、人間が申請のミスや漏れを見逃さないように申請書をダブルチェックしなくても、ミスや漏れを防げます。煩雑な手続きを効率化できるので、担当者の負担軽減につながります。

勤怠管理業務

勤怠データの管理や給与計算を行う勤怠管理業務も、RPAによる自動化に適した業務です。自動化の対象となるのは、社内システムなどから勤怠管理や給与計算に必要なデータを集め、必要な処理や計算を行ったうえで、更新したデータをシステムに登録する一連の流れです。たとえば、各従業員の勤怠データを社内システムから抽出して集計し、集計した労働時間を所定労働時間内、残業、休日出勤などに振り分けて給与を計算し、計算結果を含む新たなデータをシステムに登録するまでを自動化します。

以上のような勤怠管理業務を手作業で行うと、細かいチェックや計算が不可欠になるため、膨大な時間と労力をかけなければなりません。それを自動化すれば、担当者はRPAの作業で生じたエラーのチェックだけで済むので、大きな負担軽減につながります。

日報作成業務

RPAによって、従業員がその日に行った業務や成果を報告する日報を作成できます。日報の作成は、各従業員が日々の業務を振り返り、プロジェクトの進捗状況を見える化し、自社ならではのノウハウやナレッジを蓄積するために欠かせません。しかし、詳細にこだわるほど、作成や確認に時間がかかり、従業員の負担が大きくなってしまいます。

日報の作成や管理にRPAを導入すると、社内システムから日報作成に必要なデータを取得したり、メールでやりとりした内容から必要な情報を抽出したりして、日報に転記できるようになります。日報への入力作業を最小限に抑えられれば、従業員が日報作成にあてる時間の大幅削減が可能です。

営業部門の見積作成業務

営業活動の際に顧客へ渡す見積書の作成業務なども、RPAで自動化できます。

Webサイトや社内システムから、見積書の作成に必要なデータを自動取得し、見積書に自動記入できるようにしておけば、担当者は商品名や取引先名といった最小限のデータ入力をするのみで、見積書の作成が可能です。

営業部門では見積書の作成だけでなく、顧客情報のリストアップやメール操作など、煩雑な手続きを伴う多くの定型作業を求められます。そこにRPAを導入すれば、定型作業を効率化して作業時間を短縮できるので、営業部員は営業活動に集中できます。

総務部門の反社チェック業務

自社の従業員や株主、見込み顧客、取引先などが反社会的勢力に該当しないことを定期的に確かめる「反社チェック」も、RPA化できる業務です。

総務部門で反社チェックを行うには、たとえばリストから全調査対象者のデータを取得して登録し、インターネット検索や専用ツールを用いて反社調査を行い、その結果から反社の疑いを判定するという方法があります。手作業では骨の折れる一連の作業をRPAで自動化し、反社の疑いがあると判定された場合にだけ、人間の手で追加調査を行うことにすれば、大幅な業務効率化が可能です。

スムーズなRPA化には計画が重要

スムーズなRPA化を実現するには、しっかりとした導入計画を立てることが重要です。無計画にRPA化を進めようとすると、必要以上に高機能・高価格なツールや、自社の業務に適さないツールを導入してしまい、ツールが思うように使えず失敗しかねません。

また、無計画にRPA化を進めようとした挙句、現場の従業員の反感を買うおそれもあります。RPA化に伴い、もっとも影響を受けるのは現場の従業員です。RPAの導入によって、各従業員の業務への取り組み方が大きく変化するため、反感を招き、モチベーションも低下するかもしれません。

このようなリスクを避けるためにも、従業員の理解を得つつ、計画的にRPA化を進めていきましょう。

RPAを導入する4つのステップ

RPAの導入にあたって、まずやるべきなのは導入目的を明確にし、自動化の対象となる業務を洗い出すことです。それらを済ませたうえで、ロボットを設計し、RPAの運用を始めましょう。運用を始めたあとは、定期的な効果検証やメンテナンスが欠かせません。

1.業務の洗い出し

まずは、RPAを導入する目的を明確にしましょう。目的が明らかになれば、どの業務を自動化すべきかが見えてきます。目的を踏まえ、自動化する業務を絞り込んでいきましょう。

業務を洗い出す際は、まず現場で行われている作業や工数を把握します。そこから、RPAでの自動化が可能な業務を選定しましょう。選定したら、業務の手順をフロー化します。RPAはフローに沿って処理を行うため、このプロセスは重要です。

2.ロボット設計

次に、対象業務のフローにしたがって、ロボット用のシナリオを設計しましょう。ロボット設計でのミスは、RPAの不具合発生につながるので、細心の注意が必要です。設計の際には対象業務に携わる従業員も参加させることにより、問題に先んじて気づきやすくなります。

また、RPAの稼働後にトラブルが発生して業務が停止しないよう、RPAの稼働前には十分なテストを行って、浮上した問題をすべて修正しておくことが大切です。

3.運用・保守

運用開始後は、定期的に効果検証とメンテナンスを行い、必要に応じて設計プロセスを見直しましょう。

膨大な処理を行う過酷な環境下では、エラーの発生率も高まります。その都度メンテナンスを行うのはもちろん、必要に応じてプログラムの修正も行わなければなりません。

また、連携しているサービスやツールの仕様変更や、プログラムのバージョンアップが行われた際にも、メンテナンスが必要になります。

4.効果測定

RPA化でよくある失敗は、「想定していた効果が得られなかった」「どの程度効果があったのかわからない」などです。

また、考えなしにRPAを導入して効果が測れないケースや、ロボットを作りこんだあとでやりたいことが実現できず後悔するケースも、多く見受けられます。効果が実感できない場合、RPAの導入領域を広げられず、業務効率化が進まない事態に陥ります。

そのような事態を防ぐためにも、運用後の効果測定と検証が必要です。

RPA導入による業務効率化の注意点

RPA導入による業務効率化の注意点としては、次の3点が挙げられます。

・従業員の理解を得る
・RPA化を目的としない
・適切な体制構築

RPA化による影響をもっとも大きく受けるのは、現場で働く従業員です。そのため、「従業員の理解を得る」ことは欠かせません。
何の説明もせず、いきなりRPA化を進めようとすると従業員の反感が高まり、生産性の低下を招きかねません。このような事態を回避するために必要なのは、従業員への丁寧な説明です。なぜRPA化が必要なのか、RPA化により現場はどのようなメリットを得られるのか、丁寧に説明して理解を得ましょう。

次に「RPA化を目的としない」ことです。あくまでもRPAは、業務効率化や生産性の向上を実現するための手段です。RPAの導入に固執すると、RPA化に適さない業務まで自動化しようとしてしまい、余計な手間と時間を費やすおそれがあります。

「適切な体制構築」は、RPA導入による業務効率化を成功させるために必要です。RPAの運用においては、既存業務のブラックボックス化や誤処理、セキュリティホールの発生などのリスクが懸念されます。そのため、適切にルールを定めたうえで管理する体制を構築しなければなりません。

まとめ

RPA化によって多種多様な業務を自動化でき、業務効率化や生産性向上を実現できます。ただし、適切に導入しなければ失敗するリスクもあるため、注意点をしっかりと押さえたうえで導入することが大切です。

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