業務改善を進める方法は?重要な5つの手順を解説

 2024.02.05  三和コムテック

業務改善は、組織の効率化と生産性向上の鍵を握る取り組みです。しかし、実際に業務改善を進めるにあたって、どのように進めればいいのかといった悩みを抱えている組織は多いのではないでしょうか。この記事では、業務改善を効果的に進めるための方法や手順を解説します。

業務改善を効果的に進める方法

業務改善を進める方法は多種多様ですが、特に重要なのは「フレームワークの活用」「業務プロセスの可視化」「継続的な効果測定と改善」の3点です。以下では、これらの方法について概要や重要性を解説します。

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フレームワークを事前に確認する

業務改善を進める際には、自社が現在抱えている問題を可視化し、要点を絞って的確に改善を行う必要があります。ここで重要な役割を果たすのが「フレームワーク」です。

フレームワークとは「枠組み」という意味を持つ言葉です。ビジネスにおいては、ある問題について効率的に考えたり、解決したりする際に役立つ「思考の型」を意味します。フレームワークを活用することで、自身が何をすべきなのかといった道筋を見失わずに課題解決に取り組みやすくなります。

業務改善を例にした場合、以下のフレームワークが効果的です。

BPMN(業務プロセスモデリング表記法):業務フローをモデル化(図式化)して把握しやすくするフレームワーク
ECRSの4原則:「排除→統合→代替→簡素化」の順に業務改善を進めるフレームワーク
QCD:「品質」「コスト」「納期」を基準に業務の評価改善を行うフレームワーク
ロジックツリー:ある問題を構成する要素を樹状に分解して明確化するフレームワーク

これらのフレームワークを状況に応じて活用することで、効果的に業務改善を進められます。

どの業務プロセスを改善するのか可視化する

業務改善を行うには、既存の業務プロセスを洗い出し、その全体像やどこにどのような問題があるのかを可視化する作業が不可欠です。

多くの業務は、さまざまなプロセスが複雑に絡み合って構成されています。複数の部署や担当者の連携が必要になることも多く、ひとつの変化が思わぬところに影響を与えてしまうことも珍しくありません。「無駄だと思っていた業務が、全体で見れば実は大事だった」ということもあれば、「同じ業務を複数部署が重複して行っていた」ということも考えられます。

そのため、全体最適な業務改善を実現する上で、業務プロセスの可視化は非常に大きな意味を持ちます。複雑な業務プロセスを分かりやすく可視化するには、フローチャートなどを用いて視覚的に表現する方法が有効です。「どのような作業を」「どういう方法で」「誰が」「どれくらいの時間やコストをかけて」行っているのか、といった要素を可視化することで、何をどのように業務改善するのかの方針を定めやすくなります。

効果測定を行って継続的な改善を行う

業務改善に際しては、実施した施策の効果測定を必ず行うようにしましょう。多くの場合、業務改善には試行錯誤が必要です。予想よりも効果が出なかったり、むしろ従来の方法が良かったりすることも珍しくありません。

そのため、業務改善は実施したら終わりではなく、効果測定を行った上で検討・評価する必要があります。あらかじめ定量的ないしは定性的な目標(評価指標)を設定し、実際にその目標を達成できたか否かを確認するようにしましょう。

定量的なデータの例としては作業時間や人件費、定性的なデータには従業員満足度などが挙げられます。業務改善の内容や目標に応じて定量評価・定性評価を使い分ける必要があります。

測定・評価を実施したら、その結果を次の施策に活用しましょう。業務改善は一回限りの取り組みではなく、継続的な効果測定と改善を繰り返していくことで大きな成果を得られます。

 

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業務改善の進め方で重要な5つの手順

業務改善を効果的に進めるためには、ステップバイステップで計画的に手順を踏んでいくことが重要です。以下では、業務改善を進める上で特に重要な手順を5段階に分けて紹介します。

手順1.現場ヒアリングを行って現状を把握する

業務改善の第一歩は現状把握です。現場へのヒアリングを通して、対象となる業務に携わる従業員から情報収集を行います。ヒアリングから得られた情報は、業務の棚卸しをしたり、業務フローのチャート図を作成したりすることに役立ちます。また、次のステップで行う問題点の洗い出しにも欠かせません。ヒアリングをすることで業務の実態をより深く把握できるほか、現場の要望も反映した改善を行いやすくなります。

ただし、現場の従業員が率直に自身の考えを話してくれるとは限りません。現状を変えたくない人もいれば、上役に自身や現場の問題点を見せたくない人もいるためです。こうした「話し渋り」を防ぐには、従業員を事前に業務改善プロジェクトに巻き込んだり、その従業員にとって利害関係のない第三者を聞き役にしたりする必要があります。

手順2.問題点を洗い出す

現場ヒアリングによって得られた情報を基に、問題点を洗い出します。この段階では、問題を深く掘り下げ、具体化することが重要です。一般的な手法としては、問題に対して何度も「なぜ?」を繰り返して掘り下げていく「なぜなぜ分析」があります。

また、問題が発生している当の業務だけでなく、その周辺の業務にも問題がないかを確認することも重要です。業務の流れ全体を俯瞰して課題を捉える意識を持つようにしましょう。問題をひととおり洗い出したら、それぞれの問題をその影響度や解決の難易度などに応じて分類・整理します。

手順3.改善計画書を作成する

問題の洗い出しが済んだら、次は改善計画書を作成します。この段階で最も重要なのは、改善の「ゴール」(KGI:Key Goal Indicator、重要目標達成指標)を明確にすることです。ゴールは可能な限り数値化し、それを基にして各種の中間目標(KPI:Key Performance Indicator、重要業績評価指標)を設定します。例えば「1か月で残業時間を50%削減する」をKGIとした場合、「1週間ごとに残業時間を15%削減する」などがKPIに当たります。

改善計画書には、問題点に対する具体的な改善策や、どのような順番で着手していくのかといった優先順位を記載することも重要です。優先順位づけの方法としては、前述のECRS4原則のフレームワークが役立ちます。意味のない業務や、コストに見合わない成果しか得られないような業務は思い切って排除してしまうのが業務改善を効率的に進めるコツです。

手順4.改善案を実施する

改善計画書に基づいて改善を実施します。実施に当たっては、先述したフレームワークの中から、最も適切なものを選択して活用するようにしましょう。

実施の途中で何か問題が生じた場合でも、ひとまずは計画書に沿って最後まで実行することが重要です。そうすることで、改善案の問題点や有効な点をひととおり洗い出せます。最初からノーミスで進むとは考えずに、スモールスタートで始めましょう。

手順5.PDCAサイクルを回す

業務改善には試行錯誤が付き物です。試行錯誤を効果的に進めるフレームワークとしては、「PDCAサイクル」が挙げられます。これは、「Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Act(改善)」の各ステップを循環させながら取り組みの方向性が適切かを都度確認・調整し、改善しつづけるための方法です。

もし評価の段階でKPIに未達であることが判明した場合は、なぜ達成できなかったのかを検討し、その改善案を立てて再度実行していきます。このPDCAサイクルを繰り返すことで、業務改善プロセスは継続的に改善され、より良い結果をもたらします。

業務改善にはRPAツールの使用もおすすめ

業務改善には、ITツールの導入も有効です。特に定型のバックオフィス業務を効率化したい場合は、RPAツールの活用を強くおすすめします。RPAとはRobotic Process Automationの略称で、PC上で行われる定型作業を自動化できるITツールを指します。

例えばRPAツールの一種である「AutoMate」には700項目に及ぶ自動化機能が搭載されており、数多くの業務を自動化することが可能です。直感的な操作で初心者でも使いやすく、さらにカスタマイズによって複雑な業務にも対応できます。業務改善の手段としてRPAツールの導入は非常に有効です。

効果的な業務改善の方法を実施して業務プロセスを改善しよう!

業務改善を効果的に行うには、適切なフレームワークを活用した上で現状の分析・可視化を行い、計画的にPDCAサイクルを回していくことが重要です。業務改善のアイデアは多種多様ですが、現在のビジネス環境ではRPAツールをはじめとするITツールの活用が重要な鍵として注目されています。業務改善を実現するためには、自社の課題解決に役立つ適切なツールを選択することが不可欠です。

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